本番へ絶好の試走になったディープボンド

 「魁!海外馬券塾」(15日)

 12日にフランスのパリロンシャン競馬場で行われたフォワ賞・G2。海外初挑戦のディープボンドは好スタートを切って楽に先頭に立つと、サンクルー大賞覇者のブルームらを従えたまま悠々と押し切った。上がり3F33秒8の脚を使っており、展開に恵まれた逃げ切りではない。日本で14戦して最も速い上がりが34秒9だった馬が、この末脚を使えたのはいい意味での驚きで、馬場適性を示した絶好の試走となった。

 この内容により、同じ舞台で行われる本番の凱旋門賞・G1(10月3日・仏パリロンシャン)での戦術に幅が出た。今回と同じように逃げ、早めにスパートしリードを保って直線に入る22年前のエルコンドルパサー(2着)のようなレースが考えられる。あるいは、恐らくクールモア陣営が出してくるであろうペースメーカーの後ろにつけてもいい。ディープボンドは大きいストライドで気持ち良さそうに、ロンシャンの馬場を駆けていたように見えたので、馬群にもまれてその持ち味がそがれてしまうのは避けたいところだ。

 作戦は枠順、馬場状態、騎手の顔触れによっても大きく変わる。フォワ賞で素晴らしい騎乗を見せたC・デムーロと陣営がどんな戦法を選ぶのか非常に楽しみだ。(海外遠征コーディネーター・田中敬太)

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