【アイビスSD】オールアットワンス下克上だ “夏は牝馬”2勝級でも「穴」どるな

 「アイビスSD・G3」(25日、新潟)

 3歳牝馬のオールアットワンスに大駆けムードが漂っている。騎手時代に直線競馬で歴代最多タイとなる25勝をマークし、誰よりもこの舞台を熟知している中舘師が“勝負になる”と判断して送り出す素質馬。今回は格上挑戦の身ではあるが、軽量を追い風に一気の下克上を果たすか。

 格上挑戦でも侮ってはいけない。3歳牝馬オールアットワンスが2勝クラスの身ながら果敢にチャレンジ。中舘師は「あくまでも感覚的なものですが、この舞台は合うと思うので使ってみようと思いました」と出走経緯を説明する。

 この言葉だけを切り取ると、やや漠然とした印象を受けるかもしれない。ただ、騎手時代に直線競馬で歴代最多タイとなる25勝をマーク。勝率12%、連対率23%と高い数字を残し、この舞台を誰よりも知り尽くしている指揮官。「直線競馬はやってみないと分からないですから」という言葉には重みを感じる。

 データ的な後押しもある。“夏は牝馬”という格言そのままに、過去20回の歴史で牝馬が13勝と圧倒。しかも、3歳馬に限れば〈2・3・2・5〉とかなりの好成績を収めている。この大きな要因は斤量面だ。「斤量が軽ければダッシュ力が違ってくる。51キロは有利ですね」とトレーナー。直線競馬は他の舞台よりも斤量が勝敗に直結する傾向にあり、軽量で出走できる3歳牝馬にとって大きなアドバンテージとなっている。

 「あくまで挑戦者ですが、格上馬が相手でも頑張ってくれると思っています」と師も期待を寄せる。直線競馬の名手が送り出す3歳牝馬が、実績馬を一蹴して一気に重賞Vまで駆け上がる。

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