米国馬に単騎で挑むフランスゴデイナの武運を祈る
「魁!海外馬券塾」(12日)
日本時間16日朝、フランスゴデイナ(牡3歳、栗東・森)が参戦するプリークネスS・米G1(ダート1900メートル)の舞台ピムリコは、なかなか個性の強い競馬場だ。米国東海岸ボルチモアの郊外、一人で歩くのは絶対に避けたい雰囲気の住宅地の中にいきなり姿を現す。普段は大レースが開催されない競馬場で、年に一度のお祭りに場内は喧噪の渦と化す。
出走馬は駐車場の脇を通って本馬場に入り、装鞍は芝コース上で行う。パドックも小さ過ぎるため、プリークネスSでは使われない。装鞍後に芝コースを並んで歩くのがパドック代わりというわけだ。
スタンドの雰囲気は熱く、また荒い。私が日本馬を連れて行き、本馬場入場をブーイングで迎えられた世界で二つの競馬場のうちの一つがここだ。ブーイングは手ごわい相手と認められた証し。あれほど日本代表として気持ちが高ぶったことはない。旅慣れたフランスゴデイナの陣営ならブーイングに気おされることはないだろう。心地良い歓声にしか聞こえないはずだ。
驚きもあったが、とても印象深く楽しい競馬場だった。日本から16年のラニ(5着)に続く、2頭目の出走馬が出てきたのがうれしい。ケンタッキーダービー馬メディーナスピリットら9頭の米国馬に単騎で挑むフランスゴデイナの武運を祈りたい。(海外遠征コーディネーター・田中敬太)