【POG】エレクトロワールドは東京マイルを見据えて調整(栗東発)

 競馬新聞「馬サブロー」が誇るPOGマスター、塩手智彦(栗東)と木村拓人(美浦)がお送りするPOG情報。東西のトレセンでつかんだ情報をお伝えします。

 9日には3歳マイル王決定戦・NHKマイルC(東京、芝1600m)が行われる。ここでは有力馬5頭の1週前の様子をお伝えしたい。

 まずは朝日杯FS覇者グレナディアガーズ(牡、中内田)から。メンバー唯一のG1馬でもあり、今回も中心は揺るぎないところだ。1週前の29日は天候と馬場状態を考慮して、栗東芝コースで併せ馬。僚馬ロードシャムロック(4歳3勝クラス)を6F地点で0秒3追走し5F地点から併走する形だったが、直線で追いだされると3馬身半の差をつけてフィニッシュ。抜群の反応を見せて6F83秒7ー37秒6ー11秒5を刻んだ。片山助手は「フランケル産駒でテンションの高いところはありますが、ここを本番と見据えて順調に調整ができています。G1馬でプレッシャーをかけられる立場ですが、帰厩後のケイコの動きは上々でとてもいい雰囲気です」と、イメージ通りの調整過程に目を細める。復帰戦のファルコンSは2着に敗れたが、ひと叩きした効果は大きく、今回は主役の座を譲らない構えだ。

 ライバル勢では矢作厩舎の2頭から。バスラットレオン(牡)は前走のニュージーランドTで5馬身差をつけて逃げ切りV。逃げて上がり3Fも最速と文句のつけようがない勝ちっぷりだった。1週前追い切りは藤岡佑を背に栗東坂路で4F50秒5の好時計をたたき出し、鞍上は「バネがすごくて素晴らしい」と賞賛。宮内助手は「落ち着きが出てきたし、状態は前走以上。G1でもマイペースで運べれば」と期待を寄せた。

 アーリントンCを制したホウオウアマゾン(牡)は武豊で参戦。宮内助手は「トモがしっかりして実が入り、パワーアップした。レース後のダメージはなく、まだ良くなる余地を残している。上積みが見込めるし、G1でも期待できる」とこちらも手応えは上々だ。

 シンザン記念の覇者ピクシーナイト(牡、音無)は前走のアーリントンCで4着。敗因について師は「休養明けの分だと思う」ときっぱり。「ひと叩きして状態はアップしている。最近はゲートの心配がなく、むしろ速いくらい。行く馬がいれば、控えても競馬はできるからね」とG1制覇を見据えた。

 今回と同じ左回りのマイル重賞・新潟2歳Sを制したショックアクション(牡、大久保)もG1獲りを虎視たんたんと狙っている。休み明けのファルコンS(10着)について、師は「原因は分からないが、ところどころに外傷を負っていた。力を出し切っていない」と分析。「当てにしづらい面はあるが、ケイコの動きは抜群だし、状態は上がってきていると思うので」とコメント。今回は初コンビの田辺で挑む。

 今週の2歳馬は(外)エレクトロワールド(牝2歳、吉岡、父Into Mischief、母Ava Pie)。父はアメリカで6戦3勝。2歳時にG1・キャッシュコールフューチュリティ(AW8・5F)を制している。田嶋助手は「徐々に真面目になってきたし、ケイコを進めるにつれて前向きさも出てきた。まだ、ひと息で走るかんじなので、そのあたりが成長してくれば」と見通しを語った。30日にゲート試験を合格。今後は状態を見ながらだが、東京の芝のマイル戦あたりが目標になりそうだ。(馬三郎栗東支局・塩手)

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