「若駒Ｓ」（２３日、中京）

　西の名門厩舎が、クラシックの登竜門にアドマイヤザーゲを送り出す。半兄に０９年ダービー馬ロジユニヴァースを持つ良血馬だ。

　デビュー勝ち後の黄菊賞では、５頭立ての最後方からメンバー最速の上がり３Ｆ３３秒４の決め手を披露。鋭い伸びで連勝を飾った。前走のホープフルＳで初黒星（１０着）を喫したが、友道師は「ポジションを取りに行った分、伸びなかったけど、自分の位置で運べれば」と悲観するそぶりを見せず、「疲れもないし、１週前の動きも良かったよ。頭数が少ないのもいいね」と、巻き返しムードを漂わせている。

　「もともと馬体はしっかりしていたからね。前は気性面とか口向きに難しいところがあったけど、今は問題ない。競馬も折り合いに心配いらない」。父ドゥラメンテ譲りの首の長いフォルムはそのままに、順調な成長曲線を描いている。

　金曜から土曜にかけて天気予報は下り坂だが、半兄ロジユニヴァースが不良馬場のダービーを制したように、むしろ追い風だ。「パワータイプな馬なので、渋った方がチャンスはある」と指揮官も歓迎する。「ここで賞金を稼げれば、その後が楽になるからね」。今年は尾張で行われる出世レースを制し、偉大な兄の背中を追う。