トラヴァースS圧勝ティズザローの評価急上昇
「魁!海外馬券塾」(12日)
現地時間8日のトラヴァースS・G1(米サラトガ、ダート2000メートル)に出走したティズザロー(牡3歳、米国)は2番手追走から直線入り口で楽に先頭に立つと、あとは全くの馬なりのまま5馬身半差の完勝を演じた。遠征時にお世話になったB・タグ師の管理馬なので、ひいき目でこの馬を応援していたが、その評価を改める必要がある。
既にベルモントSを制しており、次走のケンタッキーダービーと、その次のプリークネスSを勝って三冠馬となることはもちろん、アメリカンファラオやアロゲートに並ぶ歴史的名馬に育つ期待を持たせるほど、ここまでの勝ちっぷりは圧倒的だ。
同馬は14年のフロリダダービーなどを制したコンスティテューションの産駒で、父の父はタピットだ。タピット産駒は我が強く極端なレースぶりになる馬も多いが、ティズザローはさっと好位につけて、騎手の意のままに動ける器用さを持つ馬にみえる。
一代を挟んでタピットのたぐいまれな心肺機能を受け継いだまま操縦性が増したのだとしたら弱点は少ない。韓国では、同馬の初年度産駒で日本で活躍したテスタマッタの仔ウアリュン(牝3歳、韓国)が、9日のコリアンオークス(釜山、ダート1800メートル)を制した。世界各国で枝葉を伸ばすタピット系の、ますますの発展に注目していきたい。(海外遠征コーディネーター・田中敬太)