【エルムS】タイムフライヤー砂でも重賞V!松田師最後の夏に初の北海道タイトル

 「エルムS・G3」(9日、札幌)

 北の大地で完全復活だ。1番人気に推されたタイムフライヤーが、約2年8カ月ぶりに手にしたのは砂の重賞初タイトル。芝のG1馬が貫禄の違いを見せつけた。前日の札幌日経オープン(ポンデザール)を制し、土日メインジャックを果たしたルメールも喜びひとしお。松田師は開業25年目で北海道の重賞初制覇となった。2着には2番人気のウェスタールンド、3着には5番人気のアナザートゥルースが入った。

 文句なしの強さだった。17年ホープフルSの覇者タイムフライヤーが、2馬身差で約2年8カ月ぶりの重賞2勝目。ダートに転じて8戦目、芝のG1馬が完全復活の雄たけびを上げた。ルメールは「前回(マリーンS)がすごくいい競馬だったので、勝つ自信があった。レースは最高。いいポジションが取れたし、馬がリラックスできたのでいい結果が出せると思っていた」と相棒を絶賛だ。

 外めの8枠13番も問題なし。道中は前に馬を置き、中団の外で折り合って流れに乗る。3角過ぎにウェスタールンドが外をまくってきても、全く慌てることはない。「プレッシャーはかかったけど、早い反応でスピードが出せた。能力を見せてくれた」。直線は鞍上のステッキに鋭く反応。メンバー唯一のG1ホースが、貫禄の違いを見せつけた。

 開業25年目にして初めて、北海道で重賞を制した松田師は「ホッとしました。ルメールがうまくリードしてくれた。安心して見ていられた」と鞍上の手腕をたたえる。21年2月末で定年する師にとって20年は最後の夏。JRA重賞59勝目は、19年、天国に旅立った厩舎の先輩・キングカメハメハの命日につかんだタイトルでもあった。

 今後はオーナーとの協議によるが、武蔵野S(11月14日・東京)からチャンピオンズC(12月6日・中京)を目指すローテを視野に入れる。「馬は良くなっている。ダートの体になってきたね」と新境地を開拓した姿に目を細めた指揮官。名門厩舎の礎を築いたクロフネに続く芝&ダートG1制覇を狙い、最後の瞬間まで走り続ける。

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