【京成杯】クリスタルブラック輝く末脚でV 吉田豊3年ぶり重賞制覇
「京成杯・G3」(19日、中山)
単勝7番人気のクリスタルブラックが、メンバー最速の上がり3F35秒4の末脚を繰り出して鮮やかな差し切り勝ち。吉田豊は17年中山金杯以来の重賞制覇。高橋文師は開業9年目で、うれしいJRA重賞初Vとなった。
直線に入って早々と先頭に立ったスカイグルーヴが押し切るかと思った瞬間、大外からクリスタルブラックが力強く前との差を詰め、ゴール寸前できっちりとらえてフィニッシュ。吉田豊は「テンションが高かったけど、向正面で落ち着いてくれた。いい感じで4コーナーを回ったが、まさか前まで届くとは」と喜びの中にも驚きの表情を隠せなかった。
17年12月に頚椎骨折の重傷を負い、1年3カ月に及ぶ長期休養を余儀なくされ、一時は騎手生命も危ぶまれた。高橋文師は復帰戦に厩舎の管理馬を用意するなど、サポートを惜しまなかっただけに、「ユタカ(吉田)で勝てたのが一番うれしい。本当に価値ある1勝だね」と手放しで喜び、ガッチリと固い握手をかわした。
2戦2勝で一躍クラシック候補に名乗りを挙げたクリスタルブラックだが、「体は緩いし、これからどう育てていくかだね。一度放牧に出して、ストレートに行った方がいいのかな」と、トレーナーは皐月賞(4月19日・中山)直行を示唆。大きな可能性を秘めたキズナ産駒が、大舞台でも強さを見せつける。