【POG】2歳馬総括 タイセイビジョン、レシステンシアが重賞V

 2日に東京で行われた京王杯2歳Sは、1番人気のタイセイビジョンがレコードで重賞初勝利。同日の京都・ファンタジーSは6番人気レシステンシアが無傷の2連勝でこちらも重賞初制覇を果たした。

 「第55回京王杯2歳S・G2」(芝1400m)は2日、東京11Rに10頭で争われ、1番人気のタイセイビジョン(栗東・西村)が待機策から楽々と抜け出し、デビュー3戦目で待望の重賞初制覇を達成した。勝ちタイム1分20秒8は2歳のコースレコード。逃げた3番人気のビアンフェが2馬身差の2着。さらに2馬身差の3着には4番人気のヴァルナが入った。

 課題のスタートは出た。ルメールは「スタートは良かったけど、少し掛かってコントロールが難しかった」と苦笑い。序盤は後方3番手。猛然と行きたがる相棒に、グッと手綱を引いて懸命になだめるシーン。「3、4角ではリラックスできたし、その分、最後にいい脚を使ってくれましたね」。直線は上がり最速となる3F33秒5の末脚を繰り出し、逃げ粘るビアンフェを難なくかわし去った。

 函館2歳Sでは、小回りの1200m戦に対応し切れなかった。西村師は「ルメールが直線が長く、距離もあった方がいいと言ったので、ここを目標に調整した」と出走の経緯を説明。その采配がズバリと当たった。さらに夏場の休養もプラスに働いた。「しっかり走れる体になってきたので、これだけのタイムで走れたね」と成長をアピール。確実に進化も遂げている。次走については「オーナーと相談して、決めたいと思います」と明言は避けたが、さらなる飛躍を期待させる勝ちっぷりだったことは間違いない。(採点・★★★★☆)

 また、同日、京都で行われた「第24回ファンタジーS・G3」(芝1400m)は15頭で争われ、前半3F33秒7という速い流れを先行した6番人気レシステンシア(栗東・松下)がV。直線半ばで抜け出すと、ラスト1Fでもうひと伸び。後続の追撃を振り切り、無傷の2連勝で重賞初制覇を果たした。勝ち時計は1分20秒7。1番人気のマジックキャッスルが1馬身差の2着、さらに首差の3着には2番人気のクリアサウンドが入った。

 初コンビの北村友は「ゲートを五分に出て自然に好位につけることができました。スピードがあるところを見せてくれたし、抜け出してからの反応も良かった」と笑顔で振り返った。

 初戦はコーナーで外に膨れるという課題を露呈した。陣営は対策を練ってリングバミに変更。実戦を1度使った効果もあって、コーナリングもスムーズにレース運びができた。松下師は「強い内容でしたね。2走目でレースに慣れたのか、ハミを替えた効果なのか、外に膨れるところはなかったです」と満足そうにうなずいた。「このあとの様子を見てから阪神JF(12月8日・阪神、芝1600m)へと向かわせたい」と、キャロットファームの秋田博章代表はターゲットを設定。鞍上も「スピードはG1でも通用すると思う。あとは精神面でのコントロールが鍵」と、課題を挙げながらも先を見据えた。淀で自信を深めたニューヒロインが次に狙うのは、2歳女王の座だ。(採点・★★★☆☆)

 3日の福島9R・きんもくせい特別(芝1800m)は、1番人気のココロノトウダイ(美浦・手塚)が強気の競馬で完勝。向正面から徐々にポジションを上げ、直線半ばで先に抜け出した2着馬に馬体を合わせ、最後はきっちり競り勝って半馬身差をつけた。勝ちタイムは1分49秒3。2着は2番人気のエヴァーガーデン、さらに5馬身差の3着には5番人気のコスモギンガが入った。丸山は「いい内容で勝てたと思う。抜け出してからふわふわしていたので、まだ伸びしろもあると思う」と将来性に期待した。(採点・★★★☆☆)

 5頭立ての少頭数となった東京8R・百日草特別(芝2000m)を制したのは、2番人気のホウオウピースフル(美浦・大竹)。序盤はやや行きたがるそぶりを見せたが、3番手で脚をため、勝負どころで外から徐々に進出。直線外から楽な手応えで先頭に立つと、メンバー最速の上がり(33秒6)で一気に突き抜けて、無傷の2連勝を飾った。勝ちタイムは2分1秒9。2馬身差の2着は3番人気のアカイイト、さらに首差の3着には4番人気のヒシタイザンが入った。なお、1番人気のブレッシングレインは直線で伸びあぐねて4着に終わった。昨年の有馬記念覇者ブラストワンピースの半妹に田辺は「ポンポンと勝ってくれた。あとは落ち着きが出てくれればいいね。これからが本当に楽しみ」と今後に期待を寄せた。(採点・★★★★☆)

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