【平成G1波乱プレーバック】平成19年ダービー ウオッカ
「平成19年ダービー ウオッカ」
数多くの名勝負が生まれた平成のG1。その中でも過去に波乱に終わったレースを振り返る。
競馬史に刻まれるダービーとなった。平成19年-。皐月賞では3着ながらメンバー最速タイの上がり3Fを記録したフサイチホウオーが、単勝1・6倍の1番人気に支持された。府中の長い直線での逆転に期待がかかるのも当然だったが、結果は2番人気の皐月賞馬ヴィクトリーともども馬群に沈む形となった。
平成16年生まれのサラブレッド8470頭の頂点に立ったのは、紅一点の3番人気ウオッカだ。桜花賞で2着に敗れ、オークスでの雪辱が既定路線だと思われていたが、「ダービーへ行くって聞いて、発想が面白いな、と。“じゃあ、やりますか”と思ったね。ただ、規格外の馬と思っていても、女の子だから。チャレンジャーの気持ちだった」。四位が当時を振り返る。
上がり3F33秒0-。驚異の切れ味で並み居る牡馬を置き去りにした。牝馬のダービーVは64年ぶり、史上3頭目の快挙。「馬と呼吸を合わせて。それだけを考えていた。直線は必死。先頭に立ってからは未知の世界、景色。早くゴールが来てくれ、って願ったよ」。牝馬が悲願のダービー初制覇をかなえてくれた。
2着に入線したのは逃げたアサクサキングス。14番人気の伏兵馬が波乱を演出し、3連単は215万5760円の高配当。『どんだけ~』。この年の流行語のような、波乱のダービーだった。