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中村師「わが競馬人生に悔いはない」万感の思い胸にラストウィークへ

 勝負はまだまだ。元気いっぱいにラストウイークを迎える中村師(撮影・石湯恒介)
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 別れの季節を迎えた。今年も惜しまれつつ、ビッグネームが競馬界を離れて行く。栗東では長い間、調教師会長も務めた中村均調教師(70)、プロ歌手から転身した経歴を持つ松元茂樹調教師(70)。美浦ではヤマニンゼファーなどの名馬を育てた栗田博憲調教師(70)、ダービージョッキーの柴田政人調教師(70)…。今週がラストウイーク。それぞれが万感の思いを胸に、最後の勝負に挑む。

 28歳の若さで調教師となり、54歳で調教師会会長に就任。全てのトレーナーから厚い信頼を受けていた中村師は、尊敬の念を込めて、退任してからも「会長」と、呼ばれ続けている。重賞31勝(含むG1・3勝)と本業でも優れた数字を残す。70歳とは思えない若々しい容姿だが、ついにタクトを置く時がやってきた。

 「最後まで自分の生き様を貫くことができた。わが競馬人生に悔いはない」。会長時代の07年に発生した馬インフルエンザでは、数カ月に及ぶ競馬中止も想定されたが、「全頭検査」を導入することで、わずか1週間で再開へ。優れたリーダーシップで、競馬の裏側を支えてきた。

 好きな言葉が二つある。『負けの美学』。徳川家康に挑んだ戦国武将・真田幸村の生き方に共感し、「負けても納得のいくレースをしたい」を心掛けた。もう一つが『下克上』だ。人気薄で本命馬を破るのが、何よりの喜びだと言う。「トウカイローマンのオークス(84年、9番人気)では、(1番人気で2着の)ダイアナソロンを負かすための作戦を考えて、その通りにいった。ビートブラックの天皇賞・春(12年、14番人気)もうまくいったね」と会心の2レースに笑顔を見せる。

 川崎での交流G2・エンプレス杯(27日・キンショーユキヒメ)が本当のラストだが、JRAでは今週が最後になる。最も力が入るのが土曜中山8R・春麗ジャンプSのトラストだ。障害入りしてから圧勝続きで2戦2勝。「飛越がうまいし、何よりもスピードが違うからね」と期待する。

 42年のトレーナー生活が終わってからは、管理馬を引き継ぐ弟子の長谷川師を「応援する」と話すが、今はまだ、目の前の競馬を勝つことしか頭にない。

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