【ボート】川崎、苦難乗り越え記念戦線復帰!51歳で新境地「一走を大事に」
「児島キングカップ・G1」(25日開幕・児島)
岡山県倉敷市の児島ボート・開設66周年記念が25日に開幕する。初日、2日目に実施されるWドリーム戦の1号艇は今年の賞金ランク上位をひた走る白井英治(2位)と峰竜太(3位)。強豪を迎え撃つ岡山勢は地元水面を知り尽くしたベテランが中心だ。7月の西日本豪雨災害からの復興を目指す地元へ勇気を与えるべく、62周年の覇者・川崎智幸と、12年の児島チャレンジカップでSGVを成し遂げた平尾崇典が燃えている。今大会へかける意気込み、レース場以外で見せる素顔にも迫った。
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川崎が児島キングカップに帰ってきた。62周年記念を制し、岡山勢による24年ぶりとなる地元周年Vを成し遂げたのは4年前。64周年でも地元でただ一人優出を果たした。だが、昨年65周年は不出場。理由はA2級落ちしていたからだ。
22年間、44期連続A1から降格。17年後期は勝率5・89、18期前期は5・86と低迷は一年間続いた。「A2になった期間より、なる前が厳しかった。落ちるまでの課程がものすごく辛くて厳しい。A1になるかなれないかであえいでいる時は現実を受け止められず、一番苦しい期間」と苦悩の日々を振り返る。
18年後期は6・86でA1に復帰。再び以前の姿を取り戻したかに見えるが、川崎は復活とは捉えていない。新しい自分の始まりだと位置づけている。「継続していくことが力だと思ってきたが、継続するだけでは力にならない。その先に何かが生まれてこないと意味をなさない。継続してきたことにすがりすぎていた」と自己を分析。「否定から入らず、まず全部を飲み込む。自分の現状、位置、後輩の力、周りの人の技術を飲み込んで、かみ砕いて自分のものにすることがやっとできた」と51歳の今、新たな境地に至った。
A1復帰で記念戦線に戻ってきた。「そんなに感慨深くはない。でも、この年で地元の記念を走らせてもらえることは光栄。がむしゃらに成し遂げてやるという考えではなく、ありきたりだが目の前の一走を大事にクリアしていく。優勝を狙う、とは言わないが、そこに向かう努力はする」と“新・川崎流”の極意で若手に相対する。