「フォワ賞・仏Ｇ２」（１６日、パリロンシャン）

　世界デビュー戦は惨敗に終わった。新装パリロンシャンの本番コースで行われた凱旋門賞前哨戦に、武豊騎乗で挑んだクリンチャー（牡４歳、栗東・宮本）は最下位６着。好発からじんわりとハナに立ち、レースを引っ張る展開。しかし、直線に向くと後続にのみ込まれ、最後は力なくゴールを駆け抜けた。

　勝ったのはこれで重賞４連勝となった地元フランス馬ヴァルトガイスト。他にも昨秋のＢＣターフ勝ち馬タリスマニック、昨年の凱旋門賞２着馬クロスオブスターズなど、６頭立ての少頭数ながら、粒ぞろいのメンバーだったのは確か。それでも、さらなる強敵が待つ本番を見据えると、ここから相当な上積みが必要となる。

　鞍上は「使っていって良くなるタイプなので、次頑張りたいです」と話し、宮本師も「本番では何とか巻き返しを図りたい」と前向きだったが、日本競馬界の悲願達成へ暗雲が立ちこめたのは間違いない。