【エプソムC】サトノアーサー 待望の重賞V 完璧なスタートから突き抜けた

 「エプソムC・G3」(10日、東京)

 2番人気のサトノアーサーが雨中の激戦を制し、待望の重賞タイトルをゲットした。管理する池江師は先週の鳴尾記念(ストロングタイタン)に続く、自身通算9度目の2週連続重賞制覇となった。2着は後方から脚を伸ばした4番人気のハクサンルドルフ。3着には5番人気のグリュイエールが入った。1番人気のダイワキャグニーは14着に惨敗した。

 ようやく重賞ウイナーの仲間入りだ。得意とは言えない道悪もクリア。2番人気サトノアーサーが、馬場のド真ん中から突き抜けた。

 課題のスタートも決まった-いや、決まったどころではない。大外枠からフライング気味に飛び出し、すぐに下げて好位6番手。直線残り200メートル手前で鞍上が右ステッキで合図を送ると、楽な手応えで先行3頭をかわして先頭へ。最後は余裕のフィニッシュだ。

 初コンビの戸崎圭は「中団ぐらいに付けたいと思っていたけど、思っていたよりスタートを出てくれたので」とうれしい誤算に表情も緩む。「こういう勝ち方ができて、これからが楽しみ」と太鼓判を押した。

 15年セレクトセール1歳セリで、1億9500万円(税抜き)の高値がついた期待馬。「デビュー当初から重賞級と言われながら、なかなか勝たせてあげられかったからね」と池江師はホッとした表情。昨年のダービーは10着と跳ね返され、菊花賞も距離&不良馬場に泣かされているだけに、この勝利の味わいはひとしお。指揮官は「トモに力が付いてきて、ハミにもたれなくなった。ずっと緩かった馬が、ようやく一本芯が通ってきた感じ」と成長ぶりに頬を緩めた。

 今後については未定だが、「オーナーと相談してからだけど、ようやく良くなってきたところで、もう少し行けるかなという感じもする。おいしいレースもあるのでね」とニヤリ。実りの秋を視界に捉え、次なるターゲットに備える。

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