【セントライト記念】ミッキースワロー 末脚一閃 皐月賞馬斬りで重賞初制覇

 「セントライト記念・G2」(18日、中山)

 キャリア6戦目の新星がG1馬を圧倒した。2番人気のミッキースワローが中団から末脚全開。先に抜け出した皐月賞馬アルアインを差し切る大金星で、重賞初制覇を決めた。父トーセンホマレボシも、初年度産駒で待望のJRA重賞初制覇となった。3着には3番人気のサトノクロニクルが入り、上位3頭が菊花賞(10月22日・京都)への優先出走権を獲得した。

 黄金コンビが菊路線に新風を吹き込んだ。名手に導かれた2番人気ミッキースワローが、価値ある3勝目をもぎ取った。

 今回がキャリア6戦目。この日もパドックで鳴くなど幼さを見せながら、レースでは実に大胆な走りで大金星を挙げた。発馬で後手に回るも、すぐに中団のインへ潜り込む。目の前にはアルアインとサトノクロニクルという関西の強力2騎。横山典は「うまくズルして、いいところに付けられた」と独特の言い回しで虎視たんたん。

 そして直線坂下。満を持して皐月賞馬が先頭へ。一瞬、勝負あったかに思われたが、これに外から食らい付く。こん身の左ステッキに呼応すると、何とG1ホースを並ぶ間もなくかわし去って重賞初制覇。「もともといい馬で、秋には良くなると思っていた。(最後は)思ったより楽にかわせたね」と事もなげに汗を拭った。

 義弟・菊沢師とは今春、アエロリットでNHKマイルCを制覇。固い絆で結ばれたコンビが、今度は淀の大舞台を目指す。指揮官は「デビューが遅れると思ったのでクラシック登録をしていなかった。追加登録(登録料200万円)します」と打ち明けた。

 キャリアからも十分な上積みを期待させる一頭。「まずはきょうの疲れを取って。あとはジョッキーが一生懸命乗ってくれるでしょう」。台風一過の青空の下、希望に満ちた新星が、力を磨いてさらなるステージへ向かう。

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