【ローズS予想】絶好調の松浦は馬場状態を加味してあの馬をプッシュ
「ローズS・G2」(17日、阪神)
過去10年を振り返ると差し、追い込み勢が有利。なぜか?それは恐らく、次に見据える秋華賞の舞台が京都芝“内回り”2000メートルだからだろう。先行脚質に有利な本番の舞台を考えれば、各陣営、前哨戦である程度“行き脚”をつけたいところ。その思いに、トライアルで優先出走権を狙う上がり馬の“積極性”が相まって、ハイペース→前崩れの展開を生み出してきた。
だが、今年は確たる逃げ馬が不在の上、台風18号が近畿圏を直撃し、馬場渋化は避けられない状況。いくら差し有利と言っても、下がぬかるんではさすがに切れ味は削がれる。かといって、積極的に行けば行くほど、先行勢は強烈に吹きすさぶ“六甲おろし”の餌食に…。もっともVに近いのは、好位~中団で折り合える実力馬だ。
このシチュエーションと相似するのが、4月に稍重馬場で行われた桜花賞。重心の低いフォームで、好位から力強く抜け出した◎レーヌミノルの走りは、タフな状況下にもっともマッチする。
2冠獲りを目指したオークスは13着と大敗を喫したが、その敗因を中井助手は「あの時点での力不足」と表現し、世間でささやかれる“距離の壁”は否定する。それは「芯の部分がしっかりすれば、確実に2400メートルはこなせる」という確信があるからだ。
それを試されるのがまさに今回。ひと夏越しての成長に、仕上げ人は「体が増え、背も伸びてパワーアップしています。期待通りに良くなってくれた」と目を細める。確かに、最終リハの動きは迫力満点。仕上がりは上々だ。秋華賞へ向けて、まずは芝1800メートルで有言実行を果たしてもらおう。(デイリースポーツ・松浦孝司)