斎藤誠師、功労馬ヌーヴォの引退に感慨
「無事に送り出せて良かった」-。そう言って斎藤誠師は静かにうなずいた。16日に競走馬登録を抹消したヌーヴォレコルト。14年のオークスを制し、師に初めてのクラシック・タイトルをプレゼント。その後も厩舎の大黒柱として活躍してきた功労馬だ。
「G1を勝って海外でも(5戦1勝。レッドカーペットH・米G3)頑張ってくれた。ただ、ヌーヴォが残してくれたのはそれだけじゃない。自分を含めて、携わった全ての人を成長させくれた。そのような馬はそうはいないよ」と感慨深そうにほほ笑む。
今週の高松宮記念にはトーキングドラム、ワンスインナムーンの2頭で挑む。ワンスの母ツーデイズノーチスも、自らが管理し09年のアネモネSをV。桜花賞、オークスでは跳ね返されただけに、母で果たせなかったG1制覇の夢を娘に託す。「お母さんと娘の両方を手掛けられるのは幸せなこと。ヌーヴォの子どもでも、同じような幸せを味わうことができたらうれしいね」と楽しそうに笑った。(デイリースポーツ・小林正明)