【朝日杯FS】スピネル豊伝説の冠成

 「朝日杯FS・G1」(20日、阪神)

 前人未到の大記録達成がいよいよ現実味を帯びてきた。JRA平地G1(22レース)完全制覇にリーチをかけている武豊に、今年は絶好機が到来。デイリー杯2歳Sを制したエアスピネルとのコンビで、偉業達成に挑む。

 武豊は21のG1を既に制覇。朝日杯FSは過去に15回騎乗し2着が3回あるものの、最後のピースを埋められずにいる。デイリー杯2歳S快勝後、エアスピネルで挑む朝日杯FSの意気込みを聞かれた際には、苦手意識からか「僕は朝日杯が下手なジョッキーなので、乗せてもらえるかが問題」と自虐ネタを披露したほど。競馬界の至宝がこのチャンスに燃えないはずがない。

 今年のパートナーは自身が05年秋華賞でVへと導いたエアメサイアの子だ。2着シュウジに3馬身半差をつける圧勝劇を演じて2戦2勝とすると「強いですね、この馬は。外から早めに動いたので馬にとってはつらかったと思うが、この馬なら大丈夫だと思った」。期待以上のパフォーマンスにG1制覇への手応えをつかんでいる。

 管理する笹田師にとっても、エアメサイアは伊藤雄二厩舎に調教助手として所属当時に携わった思い入れの深い馬だ。「“この母にしてこの子あり”という感じだね。気性的な幼さがかなり残っている段階で、あれだけの走りを見せてくれた。G1へ向けての調整も順調。来年が楽しみになるような競馬を見せてほしい」と目を輝かせる。名手のメモリアルVにふさわしい大器が、無傷V3&G1初制覇で2歳牡馬王者に輝く。

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