【オークス】ヌーヴォ抜け出し逆転女王

 「オークス・G1」(25日、東京)

 2番人気ヌーヴォレコルトが断然の1番人気ハープスターの猛追を封じて樫の女王に輝いた。騎乗した岩田は、史上7人目となる5大クラシック完全制覇を成し遂げた。首差2着にハープスター、3着には3番人気バウンスシャッセが入った。

 馬場の真ん中から堂々と抜け出したヌーヴォレコルトが、外から迫るハープスターの猛追を首差抑えた。3度目の直接対決で宿敵を撃破。鞍上の岩田は史上7人目となる5大クラシック完全制覇を達成した。

 正攻法の競馬で勝利をものにした。抜群のスタートから中団の内々で折り合いをつける。最後の直線。「外に出したらロスになる。手応えを確認しながら(進路が)あくのを待った」。前が壁になるシーンもあったが、決して慌てなかった。

 視界が広がった残り1Fで一気にスパート。こん身の左ステッキにヌーヴォレコルトが応える。外からハープスター、内からバウンスシャッセが迫ってきたが「最後まで我慢してくれた。すごい勝負根性。完勝でしたね」とパートナーをたたえた。

この日の3Rでは地方競馬出身者としてのJRA通算勝利記録(安藤勝己元騎手=1111勝)を塗り替えた。メモリアルな一日となったが、笑顔はなかった。「たまたま、そういう馬に巡り合えて勝たせてもらっただけ」と口を結ぶ。手放しで喜べないのには理由がある。4月27日、同じ府中の直線で他馬の走行を妨害。被害馬に騎乗していた後藤は落馬負傷した。「自分がふがいない。後藤さんが一日も早く復帰してくれることを祈っています」とこうべを垂れた。

 3着に敗れた桜花賞のレース直後「次も乗せてほしい」と斎藤師に直訴した。07年朝日杯FS(ゴスホークケン)以来のG1勝利に指揮官は「感じるものがあったんでしょう。パドックで“勝てるレースをしてください”とだけ伝えました」と喜んだ。

 今後は放牧休養の予定で、秋については「秋華賞(10月19日・京都)が目標」とうなずいた。樫の女王に輝いたハーツクライ産駒は今秋、さらなる高みを目指す。

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