製造業のジョジョ立ちPR、人材不足に悩む業種を「企業映画化プロジェクト」で元気に!!

 より早くッ!!より美しくゥ!!より正確にィィ!!!-踊るキャッチコピー、荒木飛呂彦氏の人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する“ジョジョ立ち”ポーズを決める従業員たち。これは昨年秋からYouTubeで配信されている精密板金・製缶のウミノ製作所(滋賀県栗東市)のPR動画の一場面だ。製造業や運送業に建設業や介護、そして村おこしまで。広告代理店の楽通(兵庫県姫路市)は企業を映画風に紹介する「企業映画化プロジェクト」を掲げ、そのイメージ向上に取り組んでいる。話題を集める発信の狙いを、同社代表取締役の田村慎太郎氏(48)に聞いた。

 大学卒業後は印刷会社の営業マンとして活躍し、08年に独立。顧客の悩みを共有して解決策を探る、大手にはないスタイルを確立してきた同社。同プロジェクトは18年春、運送会社の丸福運送(兵庫県姫路市)からの相談が契機になった。「人材募集がうまくいかない。会社の魅力をどう伝えたらいいのか」という訴えに田村氏は、旧知のデザイナーと協力して映画風のポスターを同年夏に作製。「自分でもこれはいい、と思いましたが、丸福運送からはメチャクチャいいと喜んでもらいました。SNSで拡散されるほど好評で、実際に丸福運送に若者が入社したんです」。大の映画好きでもある田村氏。プロジェクトの本格化を決意した。

 主に企業PRや人手不足に関する悩みを受け、映画風ポスターを作製してきたが、それだけにとどまらず映画風パンフレットや、20年4月からは動画制作を手がける第一コンピューター印刷(新潟県三条市)と協力してPR動画にも進出。これまでで約200件の注文に応えてきた。

 PRにとどまらない効果があった。「どの作品にも実際の従業員やその上司が登場するのですが、撮影中は皆がノリノリで社内の雰囲気が良くなったと聞きます。作品をクリアファイルやポケットティッシュやメモ帳などのノベルティにしたところ、営業や会社説明会に使われるだけでなく、従業員のお子さんが喜んで学校に持って行くこともあるそうです」。企業イメージだけでなく人間関係の向上にも一役買った。

 19年秋には長野県宮田村の映画風ポスターを作製。後にパンフレットも作られ、移住呼びかけ等の村おこしに活用された。今年1月には雑誌「田舎暮らしの本」(宝島社)の「住みたい田舎ベストランキング(村の部)」総合部門と子育て部門で全国1位を獲得。「ウソのような本当の話でうれしかったですね」と喜んだ。

 今後については「本当の企業ムービーをつくりたい。まずは短編からですね」と田村氏。業績は右肩上がりで、コロナ禍にも関わらず昨年は過去最高業績になる見込みだ。今年4月からは同プロジェクトの新たな代理店を、全国の印刷会社に呼びかける活動を始め、早くも19社から賛同の声が届いた。「本気でふざけて喜ばれたい」という信念はそのままに「日本の99%は中小企業です。中小企業を元気にすることで、日本全体を元気にしたいです」と、誓いを新たにしていた。

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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