江戸家猫八さん死去 胃がんだった

 亡くなった江戸家猫八さん
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 動物の声帯模写で知られる演芸家の江戸家猫八(えどや・ねこはち、本名岡田八郎=おかだ・はちろう)さんが21日午後6時22分、進行胃がんのため川崎市の病院で死去していたことが31日、分かった。66歳。東京都出身。今年1月下旬にがんが見つかり、余命3カ月を宣告されていた。葬儀・告別式は、故人の意向で25日に密葬で営まれた。5月下旬にお別れの会を開く予定。喪主は妻シゲ子(しげこ)さん。

 野鳥のさえずりなどの巧みな声帯模写と気品ある芸風で多くの人に愛された猫八さん。突然の病魔発覚からわずか2カ月で天国へと旅立っていた。

 都内で取材に応じた長男の二代目江戸家小猫(38)によると、猫八さんは、昨年暮れからせきが止まらず、正月興行の寄席を終えた今年1月下旬、川崎市内の病院で検査を受け、進行胃がんが発覚。ステージ4で余命3カ月と宣告された。抗がん剤治療も延命治療になるだけとの説明を受け、これを行わず、残りわずかな命と向き合ったという。

 「最後までできる仕事をやる」と寄席などへの出演を続け、同時に身辺整理なども行った。2月16日にテレビ朝日系「徹子の部屋」の収録に小猫と参加したのが最後の仕事。3月8日放送の同番組を都内の自宅で家族と見て、翌9日に川崎市内の病院に入院。21日に妻・シゲ子さん、小猫ら家族に見守られての旅立ちだった。自宅に設けられた祭壇には、趣味のスキー用の靴や手袋、ゴーグルなどが供えられた。

 猫八さんは、父の故三代目猫八さんに入門後、初代江戸家小猫として寄席やテレビ番組で活躍。60歳になった09年に四代目を襲名した。だが祖父、父と受け継がれた猫八としての活動はわずか6年ほど。余命を宣告された後は「10年はこの名前で活動したかった」と悔やんでいたという。

 小猫は「死を宣告された後も取り乱すことなく前向きに生きた。本当に強い父だった」と涙ながらに語った。師匠でもあった父から猫八の名を受け継ぐことを託された。「僕の高座を見て『安心してみてられる』と言ってくれた。その言葉を胸に頑張りたい」と誓っていた。

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