松坂桃李 純愛に胸がざわつく30の春 純愛ラブストーリー初挑戦

 俳優の松坂桃李(30)が、16日スタートのフジテレビ系主演ドラマ「パーフェクトワールド」(火曜、後9・00)で、連ドラでの純愛ラブストーリーに初挑戦する。映画「今日、恋をはじめます」(2012年)以来、約7年ぶりの純愛物語に「ざわざわします」と不思議な感覚を抱きながら、車いすに乗っての演技を続けている。2月にデビュー10周年を迎えた30歳は、大学生に戻る気だった当時から一転、役者続行の理由や今後の10年について語った。

 ドラマに映画と主演作が続き、充実期にある松坂が連ドラの純愛物語に挑んでいる。

 「ちゃんとした恋愛ものは『今日、恋をはじめます』という映画以来。恋愛ものを久しくやっていなかったので、変な感じがしますね」と、約7年ぶりの恋物語にふわふわしたような感覚があった。

 不思議な気持ちを味わっている今作は、下半身が不随になり“恋愛も、好きだったバスケットボールも、もうしない”と心に固く決めた車いすに乗る建築士・鮎川樹(松坂桃李)と、樹の高校時代の同級生・川奈つぐみ(山本美月)が紡ぐ愛の物語。漫画家・有賀リエ氏の同名コミックが原作で、昨年10月に映画化もされた人気のラブストーリーだ。

 3月15日から撮影が始まり、初共演の山本美月(27)と演技を重ねている。純愛要素が常にあるといい、「基本的には全部その要素が描かれている。具体的には『顔が近づいて、2人の目が合い、ちょっとドキッとして、キスまでいくか、いかないか』みたいなシーン」と場面の一つを明かす。「で、結局(キスに)いかない。しろよ!」と自ら突っ込みを入れるほどだった。

 昨年4月公開の主演映画「娼年」の“娼夫”役でぬれ場にも挑んだだけに、「キスするまでにこんなに時間がかかるんだ。そうだ、俺が間違っていた」と笑いながら、「私が(純愛を)やっていいのかと、すごくざわざわしますね」と、胸のざわめきを感じている。

 連ドラでの純愛ストーリーだけでなく、車いすでの演技も初挑戦となった。昨年10月から実在の車いす生活を送る建築士に話を聞き、車いすの練習を重ね、撮影に入った。「難しさはすごくあります」。乗ってみると発見ばかりだった。

 「ちょっとした段差、物を取る時、話す時のしぐさ、体の傾き加減など制限があるんですよね。それを踏まえた上でやらないと成立しないので、なかなか難しいものがある。目線が全然、違いますね。難しさというより、発見がある。地面をよく見ながら、こがなきゃいけない。こういうところに段差があったんだとか、こういう道はすごい楽なんだなとか、気づきの方が多いですね」

 参考の一つには、漫画家・井上雄彦氏が手掛ける車いすバスケを題材にした漫画「リアル」があった。中学時代にバスケ部で、同氏のバスケ漫画「SLAM DUNK」(スラムダンク)を愛読しており、「リアル」も読んでいた。「バスケから離れて車いすになってからの受け止め方や違いは伝えていきたい」。試行錯誤しながら熱演を続けている。

 10年前のデビュー当時では想像もつかない充実した役者生活が続く。09年にテレビ朝日系スーパー戦隊シリーズ「侍戦隊シンケンジャー」でデビュー。「その時は終わったら大学生に戻る気満々だった」。大学生だった当時は役者一本という強い気持ちはなかった。

 芝居の道へと心が傾いたきっかけの一つが、俳優・向井理(37)主演の映画「僕たちは世界を変えることができない。」だった。人生初海外となったカンボジアでの撮影は、小さなカメラで自由にリアクションをした。

 「当時の僕からしたら衝撃だった。ト書きもセリフもない。戦隊ものから上がったばかりだったので、『ここの場面は止まって、変身して』と決まった撮影ではない、感じたまま自由にというのが初めてだった。『色んなやり方があってすてきだな』とちょっとずつ、作品をやらせてもらうごとにそういった興味が強くなっていく感じでしたね」

 作品を重ねていくごとに撮影や芝居の面白さに出合い、役者の道を深めていった。今作の主人公のように壁に当たることはあったのかについては、「下半身がまひしてという樹ほどではないですけど、役に対しての壁、作品に対しての不安や恐怖は常にある。日々、周りに支えられてなんとか乗り越えた。その繰り返しですかね」と振り返る。楽しいばかりではなく、「舞台の本番中にドラマを撮っていたりとか。体力もメンタルも両方、削られている。役の切り替え、集中力を切らしてはいけないなど、しんどさはありました」と苦しい時期も乗り越えて、現在がある。

 ここまでの10年は、「30代でも仕事をやっていくための土台作り。準備段階というか種まきの時間だったのかな」と実感する。今後は、「40代になった時にしっかりとこの仕事を続けられるような仕事の取り組み方をこの先10年もやっていきたい。すてきな作品に出会えてたら」と柔軟に構えている。私生活は「結婚観ですか。30代のうちにはするんじゃないですか。イメージ段階ですけどね」と漠然と思い浮かべた。

 今作も今後の10年の糧となる。連ドラで見せる恋愛物語に「好きな人と障害を越えて一生歩んでいけるかを後押ししてくれる作品。車いすでなくても、違うことに置き換えられる。ポンと背中を押せる作品になれば」と期待。平成と新元号をまたぐ今作を通じて、勇気と感動を届ける。

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