三浦翔平「いきもの係」チャラ男刑事と「僕やり」冷酷刑事-同クール掛け持ち

 二刀流の翔平は球界だけじゃない。芸能デビュー10周年を迎えた俳優の三浦翔平(29)が、フジテレビ系「警視庁いきもの係」(日曜、後9・00)と同局系「僕たちがやりました」(火曜、後9・00)を同一クールで掛け持ちしている。どちらも刑事役と難易度高めのミッションだが、絶妙に演じ分け、話題だ。撮影日がかぶることもしばしば。苦労話とともに素顔をのぞくと、プロデューサー顔負けのサービス精神が見えてきた。

  ◇  ◇

 週末の「いきもの係」では捜査一課のチャラ男を軽やかに演じ、週明けには「僕やり」で冷酷な所轄刑事に変貌する。7月クールのフジテレビ系ドラマを掛け持ちし、どちらも刑事役とお茶の間をにぎわす三浦の日々は、なかなかハードだ。

 取材日は、深夜に7ページに及ぶ長ゼリフのあった「僕やり」の撮影翌日で、早朝7時過ぎから「いきもの」の現場に入っていた。おやつの時間に近づいた頃、これまた長ゼリフのある出番をやりきって現れた三浦に、「大変ですね」と投げかけると、率直な感想が返ってきた。

 「(『いきもの』で演じる)石松なんて基本、説明セリフなので。嫌がらせかなと思ってます」と爽やかな笑み。続けて「(2つの現場が)同じ日の撮影はしんどいかなって感じですね。嫌です。純粋に嫌。さすがに長ゼリフの大事なシーンがかぶることはないんですけど、かぶってきたら…行かないです。マネジャーに言います。パンクすると“無”になるので」と、これまた軽やかな口調で大変さを訴えた。

 ドラマの放送前には、報道陣向けの会見が行われるのが恒例。今回の2作品も例外ではなく、三浦は「いきもの」の会見で「僕やり」の話を始め、「僕やり」の会見でも逆のボケをかました。もちろん、それぞれの共演者たちからは総ツッコミ。ネットニュースでも大きく取り上げられた。

 「何かしら話題になればいいな、と思って。どっちも見てほしいので。どういうことを言えば話題になるとか、なんとなく分かるじゃないですか」と、いたずらっ子の本性がにじむ。

 最大の“問題シーン”となったのが「僕やり」での会見の1コマ。最近の“やってしまったエピソード”を聞かれ「この前、向こうの現場にこっちの台本を持っていってしまった。覚えていなかったので、テンパりました」と真顔で回答した。

 会場は大いに沸いたのだが、そのことを詳しく聞こうとすると「ウソです」と即答されたのでたまげた。「話題にはなったんで」と、実に油断がならない。何をすれば作品が取り上げられるか。プロデューサーのような視線を併せ持つ。

 そのマインドは、現場でも同様だ。「同じ(刑事)役だったら、逆に演じ分けが見せられるから、アリかなってのはありますね」と語るように、“刑事かぶり”の裏には、差別化を図るためのさまざまな工夫がある。

 先にクランクインしたのは「僕やり」で5月中旬。原作漫画でも陰の魅力を漂わせる刑事・飯室は、話し合いの結果、鬼太郎のように片目を髪で隠すヘアスタイルを採用した。

 「いきもの」で演じる刑事・石松はぱっくりと真ん中分けで、爽やかなイメージ。当初はクールなキャラだったが、飯室の役柄をスタッフに伝え、2作品の違いが分かりやすいよう軽いキャラに変更してもらった。

 「監督とプロデューサーに(飯室の)役柄を話して『ちょっとライトにしますね』と言ってもらってたんですが、台本を見たら(チャラ男キャラで知られるオリエンタルラジオの)藤森さんみたいになっていた」と今では笑い話になっている。

 今年が芸能生活10周年。来年には節目の30歳を迎える。

 「20代は、自分のスタイルを作る時期だったかもしれないですね。年下でも尊敬できるやつはいっぱいいるし、ダメな先輩も見てきました。自分は天狗(てんぐ)になるというより、もともとずっと調子に乗ってる人間で、やっと落ち着いてきた。次はやりたいことのために動く30代にして、それを40代で実現できたら。その間に結婚できたらいいかなって思います」

 理想の女性は「世話好きで、家庭的で、あまり外に出歩かない“港町”みたいな女性。自分の子供が二十歳のとき、還暦は嫌なんですよ」と朗らかに語る。人生プランは先々におよび「将来的には働きたくないんです。ハワイで、のほほんとチビと生活していたい。野菜を作って。50、60(歳)くらいには」と悠々自適の日々を夢見ている。

 多趣味で知られ、ゴルフやサーフィンの腕前は玄人はだし。空き時間には、シュートボクシングで体をいじめる肉体派でもある。

 「若いうちは遊んどいた方が年をとって糧になると思うので。世界に行ったり、いろんな人たちと会って、いろいろやってみる。顔に出ますからね。『こいつ絶対、何も知らないな』って人と『とてつもない人生歩んできたな』っていうのは」

 思い描く将来像は、年輪が顔に刻まれた男。目指す先も壮大だ。

 「同じ88年生まれが、俳優もアーティストもスポーツ選手も結構多くて、野球の(巨人)坂本(勇人)や、松坂桃李、濱田岳もそう。東出(昌大)もそうじゃなかったかな。牛耳ってやろうって思ってます」

 「辰年(生まれ)ですから。竜王になります。天に召されなければ」と冗談とも本心ともつかぬ過激な発言も。それもまた、黄金世代でひときわ輝く“話題になれば精神”の表れなのだろう。

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