末成由美 木村進さんから“芸を盗んだ”…おばあちゃんの演じ方を舞台袖から

 吉本新喜劇の女優・末成由美(72)は1973年に吉本に入り、新喜劇の歴史が60周年となった現在、活動期間は50年が近づこうとしているベテランだ。元々は日本舞踊家だった末成が、新喜劇で「芸を盗んだ」のが故・木村進さんだった。木村さんの思い出を語ってもらった。

  ◇  ◇  ◇

 -吉本新喜劇はかつて、女性はギャグなど目立つことはしなくていいという風潮だった。それが木村進さん、間寛平さんが座長になった頃から変わっていったと。その木村さんが5月にお亡くなりになりました。まだ68歳でした。

 本当に寂しいことです。謹んでご冥福をお祈りいたします。

 -末成さんがギャグを始めたころは木村さんが座長だった。

 私が吉本に入ったころは花紀京さん、岡八朗さんが座長でした。まもなく木村進さん、寛平ちゃん、室谷信雄さんが座長にならはったんです。船場太郎さんもいました。座長になってはったし。その頃は組が決まってましてね。花紀組とか岡組とか。私、けっこう岡八朗さんの組が多かった。そうこうしているうちに花紀さんや岡さんはゲスト待遇になって。木村さんと寛平ちゃんと室谷さんが座長になったんです。木村さんが座長の時はよう勉強させてもらいました。舞台袖でね。芸達者な方やからね。

 -木村さんからいろいろ教えてもらった。

 教えるということはないです。盗むんです。舞台袖で見て。おばあちゃんの演じ方は木村さんの芸を盗ませてもらいました。芸というのは教えてもらうんじゃなくて盗まんとあかんのやと、昔の芸人さんはおっしゃってた。木村さんが演じるおばあちゃんの仕草をずっと袖で見てました。寛平ちゃんから「由美ちゃん、あんた進ちゃんにそっくりやね」って言われた時はうれしかったです。

 -うまく盗めたということ。

 まあ、そうですわね。うれしかったです。おばあちゃんのしゃべり方は文珍さんからも盗ませていただきました。楽屋に舞台のモニターがあるんですけど、文珍さんの出番になるとボリュームを大きくするんです。おばあちゃん独特のしゃべり方、「あ…の…わ、た…しが」(ゆっくりと低音で)というのを盗みました。

 -木村さんは30代の時に脳内出血で倒れました。

 そうですね。若いのにもったいないなと思いました。人間の運命て分からへんなと。若いのにね。年いってからやったら分からんこともないけど、あんな若い時に。もったいないなと思いましたね。

 -電話などで連絡は。

 あまりとってなかったです。安らかに眠っていただきたいと思っております。

編集者のオススメ記事

関西DEわろてんか最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス