末成由美 「お笑いをやるために生まれてきた」…吉本新喜劇ベテラン女優の気概

 吉本新喜劇のベテラン女優・末成由美(72)は5歳から日本舞踊を習い、18歳で名取をとった。「日本舞踊家になることしか考えていなかった」と十代を振り返る。それなのに数奇な出会いが重なり、何者かの手が末成を吉本新喜劇の舞台へと導いていく。今では「お笑いをやるために生まれてきた」との確信に至った。吉本新喜劇は今年、60周年。70歳を超えてもまだまだやりたいことがあるという末成の「遅れやして、ごめんやっしゃ」な話をどうぞ。

 -日本舞踊家から始まってシャンソン、殺陣師のグループ・的場剣友会に出合い、不思議な巡り合わせで吉本新喜劇に出合った。

 ほんまにね。そうやって新喜劇に46年ほどおります。当たり前のように新喜劇の舞台に立っている。人様に笑っていただくなんて日本舞踊に夢中になっている頃は想像もつかなかったことです。お笑いの世界に足を踏み入れるなんて。でもこの年になって振り返ってみると、私はお笑いをやるべくして生まれてきたんやというのが最近になって分かってきました。人を楽しませる。新喜劇だけではなくてプライベートでも、どこに行っても笑いを提供しているかなと。

 -最近というのは何か特別なことが。

 年に1回老人ホームの慰問に行くんです。無口なおじいちゃんがいまして。声も小さい。電話して、「ご飯食べよ」って言って笑わしてあげたり。私といると元気がでるってとても喜んでいただけるんです。そうやって、ひとりひとりに喜んでいただいている。私からパワーもらって楽しいわと言っていただけるんで、これからもどんどん笑っていただこうと思ってます。

 -慰問をするきっかけは。

 知人の紹介です。特別養護老人ホームでイベントをやりたいと。去年の11月にも寄せていただいたんです。そうするとやっぱり皆さん新喜劇を知ってはるんです。私の手ぇ握ったら離さないんです。「よう来てくれて」言うて泣く人もいてたり。そういうのを見てると、私が元気である以上はやり続けたいと思っております。

 -他にやりたいことは。

 ありますよ。大河ドラマも出なあかんし。夢はいっぱいあります。

 -大河ドラマでイメージされている役は。

 私はね、なんかに取り憑かれた役がものすごい合うんです。例えば…気を悪くする人がいたら申し訳ないですが気の触れた役とかね。普通の役はできないんです。この年でOLとかは無理です。でも、妖怪とかね(笑)。そういうオファーが来たら。里見浩太朗さんの水戸黄門のときに仕事が来たんです。そしたらね、妖怪みたいなババアの役やったんです。「あの山がぁ~」(※妖怪のような低音ボイスで)。そんな役が来たんです。やっぱり、よう見たはるわと思ってね。普通の役はこないです。はっははは!

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 末成由美(すえなり・ゆみ)1947年3月1日生まれ。山口県出身。滋賀県大津市膳所で育つ。日本舞踊名取(音羽菊嬉美=おとわきくよしみ)。趣味は料理など各種に。毎朝スクワットを50回こなしプロテインも飲む。71歳でフルマラソンに初挑戦し7時間を切って完走。「もう二度といや」。

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