円広志 パニック障害のころパチンコ、競馬で連勝…不思議な日々(下)

 歌手の円広志(64)は46歳ごろにパニック障害を発症した。「夢想花」の大ヒットから20年。テレビなどレギュラー6本を抱え多忙を極めていた。ある日、車を運転していて赤信号でブレーキを踏んでいるのに景色が動いて見えた。それが発症の予兆だった。円はマネジャーに「番組全部降ろしてくれ」と号泣して懇願。療養に入った。その間、なぜかギャンブルに強くなりパチンコも競馬も勝って勝って勝ちまくった。不思議な日々を振り返ってもらった。(上)(下)で。以下は(下)。

 -浮き上がって見えるというのは。

 浮き上がってるんです。

 -せり出しているように。

 そうですね。せり出しているように。不思議でしょ。競馬もそうです。目をつぶって予想表に手をかざすんです。手が熱くなるところが当たるんです。そういう専門家の人に聞いたんです。そしたら「あり得るかもしれない」と。

 -専門家ってなんの専門家ですか。

 なんやったっけ。催眠術かなんかやってる方でした。テレビで知り合った人です。「ありうるかもしれない。ただ、病気が治ってきたら、なくなるやろうから、その能力だけはずーっと保ちつつ病気を治していったほうがいいよ」と。でも、もうぜんぜん当たらないです。まったく当たらないです。

 -その期間はどれくらい続きました。

 3カ月くらいですわ。パチンコは80連勝くらいしました。

 -競馬は最大何倍くらい。

 200万円取ったいうことは。1万円で200万円やったら200倍ですか。

 -200倍なんてぜんぜん人気の無い馬ですね。

 そうなんです。当たるんです、それが。パチンコがあんまりにも当たるんでおかしいなと思って競馬やってもあたるから、これはちょっと大変なことになったなと思って。

 -喜んでばかりもいられなかったのでは。怖いと。

 いや、それで生活しようと思ったんです(笑)。ほんとに。これで生活できると。日本中どこ行ったって生活できると思ったんです。どこ行ったってパチンコ屋はあるから。それで生活できると思い出したんです。

 -でも続いたのは3カ月。

 うん。ちょっとずつ(病状が)良くなると当たらなくなるんで、おかしいなと。なんで当たらへんねやろと。当たらへんのがおかしくらいに思ってましたわ。それからブラックジャック。これも当たるんです。プロだと思われて出て行ってくれと。サイパンのテニアン島で。額は大したことないですけど勝率がすごかった。次にこのカードが来るやろなと思って多めにかけると実際に来るんです。

 -見えるんですか

 見えるんです。分かるんです。だから、パニック障害はそんなに悪いことじゃないんです。

 -いやいや。もうならないほうが。

 どっちかといったら今の方がいいです(笑)。パチンコ負けてるほうがいいです。

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