【半崎美子】失敗繰り返し発達した“嗅覚”-18年の抱負は「貢犬」

 「土の中からこんにちは=1=」

 嗅覚の鋭さに先天性と後天性があるとするならば私は間違いなく後者です。

 2018年、戌年の幕開け、犬にとって最も重要な嗅覚ですが、人間にとっても時に聴覚や視覚よりも頼りになるのが嗅覚かもしれない。音楽で生きていくと決めて大学を中退し北海道から単身上京した18年前、当時はパン屋さんの住み込みで働きながら曲を書き続けるという日々を過ごしていました。

 アテもなく上京し、右も左もわからない中で音楽活動をスタートさせる事はたやすい事ではありませんでした。デモテープやチラシ作って、手当たり次第レコード会社や事務所に持ち込んだり、歌える場所を探していた時、心のない言葉を投げつけられたり、気持ちを踏みにじられるような事も何度もありました。

 それでも北海道仕込みの開拓精神、無知がゆえの行動力が伴って、失敗を何度も繰り返していった結果、たくましい野生のカン、すなわち嗅覚が発達していったのです。

 そうして身につけたカンを頼りにライブ活動を続けているうちに、自分の歌を必要としてくれる人や、心から応援してくれる人に出会う事ができました。そんな心から信頼できる人達との出会いが今の私を形成しています。

 17年間どこにも所属せず個人で続けていた音楽活動は、自分のレーベルでCDを発売し、全国のショッピングモールをまわり歌を届けたり、赤坂BLITZで単独公演を3年連続行うなどしているうちに、昨年4月、ミニアルバム「うた弁」でメジャーデビューとなりました。

 どんな事でもチャンスと捉え、わきめもふらず活動していれば色々な話が舞い込んできます。危険を察知したり回避したりするだけでなく、今の事務所に所属を決めた時も、まさに持ち前の嗅覚が作用したのだと思います。

 歌を通して繋がってくれた皆さんへ、2017年は鶴の恩返しの年にしたいと年明けに話していた私ですが、2018年は貢献していきたい。戌年らしく貢犬(こうけん)を抱負とします。

 ◆半崎美子(はんざき・よしこ)1980年12月13日生まれ、札幌市出身。札幌大学を1年で中退、歌手を目指して上京。パン屋で住み込みアルバイトをしながら音楽活動を続けた。芸能関係者にだまされた経験からレコード会社や事務所に所属せず、モールに飛び込み営業をかけるスタイルで場数を踏む。「ショッピングモールの歌姫」「泣かせ歌の女王」と称される。

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