【上田まりえ 57】友達に会うような感覚!!8年ぶりに図書館へ

 時間ができると書店に立ち寄ることが多いのですが、つい先日、8年ぶりに図書館へ!一歩足を踏み入れた瞬間、無意識に大きく息を吸い込みました。実は、図書館のにおいが大好きなんです!

 書店に陳列された、新品の本のにおいを嗅ぐと、背筋がピン!と伸びる感じになるのですが、図書館は違う。甘いような、香ばしいような、カビ臭いような…いろんなにおいが混じり、陽だまりの中にいるようなあったかさを覚える一方、過去と現実を散歩しているようで、懐かしくて、ちょっぴり切ない気持ちになります。「読書の秋」と言いますが、図書館はまさに秋との親和性が高い空間であると思います。

 小・中学生のとき、よくいじめの標的になっていた私にとって、学校の図書室は大切な居場所でした。そこにいるたくさんの本たちが友達のように迎え入れてくれるんです。新しい友達に会うような感覚で、毎日何冊もの本を選んでいました。 また、お金がかからない市立図書館は、絶好の遊び場!家から自転車で30分ほどかけて通っていました。狙っていた新刊を借りることができたとき、早く読みたくて我慢できなかった私。家に帰らず、図書館の駐輪場の陰に座って、1冊読み切ったこともあったっけ…。

 新しい本を借りるとき、自分の名前を真っ白な図書カードの一番上に書けることがたまらなくうれしかったなぁ。大げさだけど、自分からその本の歴史が始まるような気分になるんです。反対に、古い本を手に取ると、まず巻末を開いて、図書カードをチェックしていました。特に、あまり貸し出されていない本。はるか前に記入された名前を見ては、「どんな人だったのかなぁ?」と想像するのも好きでした。名前と貸出日の文字が、まるで刻印のように見えてくるから不思議です。

 最近の図書館は電子化され、もう手書きのカードは少なくなりつつあります。タブレットで本も読めちゃうような便利な時代になったけど、紙を一枚一枚めくるたびにワクワクしている大人でいたいなぁ。図書館は、子供の頃の気持ちを思い出させてくれました。

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