【上田まりえ 39】雨を見れば思い出す…古風なイケメンに人生初の一目ぼれ

 まとまった雨が降るようになり、ようやく梅雨らしさを感じるようになった今日この頃。雨を見ると思い出すことがあります。

 高校1年生の終わり頃、人生初の一目惚れをしました。いつもの登校時間。家からの最寄駅で電車を待っているとき、スッと目の前を横切った学ラン姿の人から目が離せなくなってしまったのです!坊主頭に制帽をかぶり、白のエナメルかばんを肩からかけていたので、うちの高校の野球部の人だとすぐにわかりました。あまり背は高くないけれど、きちっと制服を着ていて清潔感が漂い、そのうえイケメン!!目鼻立ちがスッとしていて、「大正ロマン」を思わせるような古風な雰囲気に、一瞬で恋に落ちました。まるで漫画やドラマのように時が止まり、私の目には彼の周りだけキラキラと輝いて見えたのです。

 野球部のマネージャーに友達がいたので、1つ上の先輩であることと名前を聞き出すことに成功したものの、「硬派だけど、変わった人だよ」と。何でも、携帯電話も持っておらず、完全な一匹狼タイプで、特に親しい友達もいない模様。少しでも彼のことを知りたいと思った私は、野球部員が朝練のために乗っている1本早い電車で通学を開始。さりげなく斜め向かいの席に座り、おにぎりを食べている彼をただ眺めるのが好きでした。

 2年生の5月のある日、帰りの電車で2人きりになり、話しかけるチャンスがやってきました。が、何もできないまま駅に到着。落ち込みながら駐輪場へ行くと、なんと、私の自転車の隣に止まっていたのが、偶然にも彼の自転車。“今しかない!”と思った私は、ありったけの勇気を振り絞り、声をかけました。

 「あのっ、突然すみません!2年8組の上田まりえって言います!えっと、あのっ……す、好きですっ!!」

 -勢い余って、なぜか告白までしてしまったのです!自分にびっくりしてあたふたしていた私の話を、先輩は優しく聞いてくれました。「返事、ちょっと待ってもらえるかな?」と言われ、2ヵ月後-梅雨で、その日は朝からスコールのような土砂降りでした。「ちょっといいかな?」と声をかけられ、校内の駐輪場の屋根の下へ移動し、ドキドキと鼓動が強くなった瞬間、「ごめんね。」と…。頭が真っ白になり、ザーッという強い雨の音だけを覚えています。1人になったら、涙が止まらなくなって…その日、初めて授業をサボりました。

 先輩、今何しているのかな?思い出すとニヤけてしまう、青い思い出です。

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