外を歩くだけで汗ばむような日が増え、先日は今シーズン初めてのアイスコーヒーをオーダーしました。立夏も過ぎて、暦の上ではもう夏。溶けていく氷を眺めながら、夏の始まりを感じました。

　コーヒーが大好きです。１日の始まりに、食後に、休憩時間に、１日の終わりに…と、私の生活にとって必要不可欠。リラックスしたいときのお供は、ホットコーヒー。ちなみに、断然ブラック派です！最近では、集中したいときにも意識的に飲むようになりました。トレーニング前、生放送や収録前など、ここぞというときのスイッチを入れるためのツールのひとつにもなっています。

　上京してから１２年ほど通い続けている喫茶店が、新宿にあります。東口前、新宿アルタから程近い建物の地下にあるお店。地上にまで立ち上ってくる焙煎した豆の香ばしい匂いに誘われて階段を降りると、クラシックが流れる落ち着いたレトロな空間が現れます。「都会の喧騒」という言葉がぴったりな立地であるにもかかわらず、まるで時が止まっているかのよう。

　ブレンドコーヒーの値段は１１９０円。ポットで出てくるのでカップ２杯強分の量はありますが、決して安くはないですよね。初めて訪れたときはその値段に驚くとともに、「東京に来たんだなぁ」と妙に感動したことを覚えています。大学１年生だった私にとって、何日分かの食費になるほどのぜいたく品でした。今でも数カ月に１度、足を運んでいます。味はもちろん、美しいカップにもうっとり！カウンターには１５００客もの色とりどりのコーヒーカップが並んでいて、その姿を眺めながらコーヒーを飲むのが、これまた乙。カップから立ち上る湯気と香りに心癒やされ、幸せを感じる瞬間です。

　最近のタクシーでの出来事。コンビニコーヒーを片手に乗車したところ、「コーヒーの香りっていいですよね！僕、大好きなんです！」と運転手さんが話しかけてきました。好きな豆のタイプや喫茶店などを楽しそうに話すのを聞きながら、およそ１５分。無事目的地に到着し、お金を払って車を降りようとしたそのときです。「香り、ごちそうさまでした！」と、運転手さんからとってもすてきな一言が！コーヒーの香りは、人の心をあったかくしてくれるようです。アイスコーヒーだと香りが弱くなるから、ちょっと寂しいなぁ…なんて感じた夏の始まりでした。