【上田まりえ 15】帰省で8年ぶりに方言がよみがえりました

 年末、地元・鳥取県境港市に帰省しました。日本地図を見ると、ピョコっと飛び出した小さな半島の、先端に位置する港町で、人口は3万5000人ほど。野球好きの私は東京ドームへ観戦に行くたびに「境港市民が全員入れるどころか、まだまだ席に余裕があるなぁ!」なんてことを考えています(東京ドームの野球時の収容人数は4万6000人)。

 今回は1泊2日、滞在20時間とかなりの弾丸スケジュール!。それでも、やはり故郷の空気を吸うと、自然と心が落ち着きます。いつ帰っても、驚くほど変化がない。子どもの頃の思い出がそのまま残っていることが、とてもいとおしく感じます。

 ただ、今回の帰省で、私自身にある変化がありました。それは、アナウンサー時代からおよそ8年間封印していた方言を、再び話せるようになったことです!「鳥取の方言って、どんな言葉なの?」とよく聞かれるのですが、これがなかなか説明し難い。語尾に特徴がある方言なので、敬語や丁寧語で話すとあまり気づかれないのですが、イントネーションが標準語と微妙に違っている言葉がたくさんあります。

 これを直す作業は、非常に根気のいるものでした。なんてったって、自分の名字すらなまっていましたから!上京し、大学での初めての授業で自己紹介をしたときにクラスメートから指摘され、上田歴18年目にして初めて知りました。アナウンサーに内定してからは、一言発するたびに先輩方から「ストップ!」の声がかかり、なかなか話の最後までたどり着くことができなくてもどかしかったなぁ…。毎日電話していた家族とも、意識的に連絡を取らないようにした時期もありました。

 そのかいがあってなまりはなくなったものの、今度は地元に帰っても故郷の言葉が出てこないという、困ったことが起こりました。仕事のためとはいえ、少しだけ寂しい思いをしたものです。それが、アナウンサーを辞めてから1年がたった今回の帰省。何も考えずに素直に出てくる久しぶりの響きに、帰ってきたことの実感が今までの何倍も湧いてきました。

 言葉はその人の人生を表すもの。きれいな日本語はもちろん、自分の言葉も大切にしよう。ちょっとなまってもご愛嬌(あいきょう)ってことで!?

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