塩1日10・1→7gで 健康寿命の延伸へ数値目標 厚労省が野菜、果物の摂取&睡眠など50項目ほど

 厚生労働省は17日までに、2024年度からの国民健康づくり計画「健康日本21(第3次)」で設定する数値目標をまとめた。32年度までに、高血圧予防で1日当たりの食塩摂取量を現状の10・1グラムから7グラムに減らすほか、心身の健康維持のため、睡眠時間を十分に確保できている人の割合を60%に上げる。毎日の歩数増など運動も促す。6月にも正式決定する。

 介護を受けたり寝たきりになったりせずに日常生活を送れる「健康寿命」は、19年時点で男性72・68歳、女性75・38歳。計画は健康寿命の延伸や健康格差の縮小を目的に策定。第3次では50項目ほどの目標を定める。

 食生活では、野菜や果物は脳卒中、心疾患の死亡率低下に関係があるとされることから1日当たりの摂取量を多くする。野菜は、現状の281グラムから350グラムに、果物は約2倍となる200グラムに設定する。適正体重を保っている人を増やし、特に体格指数(BMI)が18・5未満の「やせ」に該当する若年女性を15%未満に減らす。

 睡眠については、6~9時間(60歳以上は6~8時間)を十分な睡眠時間とし、確保できている人を世代によって55%前後の現状から、60%にするのが目標。1日の歩数の平均値は20~64歳8千歩、65歳以上6千歩の達成を目指す。喫煙率は16・7%から12%に下げる。

 糖尿病の悪化に伴う合併症「糖尿病腎症」による年間の新規透析導入を約1万5千人から1万2千人に抑える。骨量が減り軽い転倒などで骨折しやすくなる「骨粗しょう症」の自治体検診の受診率は乳がんなどと比べて低いため、約10ポイント増の15%に向上させるほか、全身の病気リスクにも影響する歯と口の健康増進も盛り込んだ。

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