手塚治虫 未発表資料を初公開 6・16刊行「ミッドナイトロストエピソード」で

 「ミッドナイト」のネーム(下絵) (c)手塚プロダクション)
 「ドライブラー」のカラー原稿(右)とカラーイラスト (c)手塚プロダクション)
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 漫画家の手塚治虫(89年死去)が86~87年に連載した「ミッドナイト」の単行本未収録エピソードをまとめた作品集「ミッドナイト ロストエピソード」(立東舎)が6月16日に刊行され、原型となった未発表作「ドライブラー」のカラー原稿など計6点の新資料が本書で初公開されることが4日、分かった。

 手塚プロダクションによると、新資料は同社資料室の「ドライブラー」と書かれた袋に入っていた。一部は数年前に公開されたが、未整理だったカラー原稿、鉛筆描きの「ミッドナイト」のネーム(下絵)、キャラクタースケッチなど計6点が現存していたという。「ドライブラー」のカラー原稿は、車の助手席に女性を乗せて運転する男性のコミカルな姿を活写している。

 手塚は週刊少年チャンピオンの新連載としてSF漫画「ドライブラー」を準備中だった84年に急性肝炎で入院し、連載が延期に。復帰後に仕切り直した「ミッドナイト」では、キャラも設定も全く異なるサスペンスに変えており、晩年まで少年誌でのヒットを目指して意欲的に創作する過程がうかがえる。

 同書には単行本未収録だった幻の11話分と、ブラック・ジャックが登場する最終回、連載時の扉絵全67話分などを収録する。

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