将棋の藤井聡太王位（１９＝竜王、叡王、王将、棋聖との五冠）が豊島将之九段（３２）の挑戦を受ける第６３期王位戦七番勝負第１局が２８日、愛知県犬山市「ホテルインディゴ犬山有楽苑」で開幕する。２７日、２人は同市で前日検分と会見を行った。豊島九段にはプロ入りから６連敗し“苦手”とされたが、昨年は３度のタイトル戦で破った。同郷の先輩を犬山城のふもとで再び迎え撃ち、王位３連覇を目指す。

　藤井王位は「前期は苦戦を強いられてしまったので、前期より進歩したいという思いは持っています。序盤の早い段階で先行される展開が多くあったのが、一番の課題。今回はその課題をいかしたい。豊島九段とは今年はあまり対戦がないので、昨年までとは違った戦いになると思います」と警戒心をにじませた。

　現在、永瀬拓矢王座（２９）との棋聖戦も１勝１敗で進行中。よりタイトな日程となるが、「シリーズを意識するよりも、目の前の一局に集中して臨む意識でやっていけたら」と自然体。東海出身棋士対決が昨年に続いて愛知で開幕することに喜びを語り「期待に応えられるシリーズにできれば」と気を引き締めた。