濱口監督「獲りました!」「ドライブ・マイ・カー」国際長編映画賞を受賞

 映画の一場面(c)2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会
 「ドライブ・マイ・カー」で米アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した濱口竜介監督(ロイター=共同)
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 第94回米アカデミー賞の授賞式が27日(日本時間28日)、米・ハリウッドのドルビーシアターで開かれ、濱口竜介監督(43)「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞に輝いた。日本映画では2009年の滝田洋二郎監督「おくりびと」以来13年ぶり5度目の快挙。世界最高峰の映画賞での栄冠に、「皆さん、獲りました!ありがとう」と笑顔で喜びを語った。日本映画初受賞が期待された作品賞、監督賞、脚色賞での受賞は逃した。

 ハリウッドに「ドライブ・マイ・カー」の名がとどろいた。タイトルを読み上げられると、濱口監督は主演の西島秀俊らと笑顔で抱き合ってから壇上へ。オスカー像を手にし、感無量の表情で「君がオスカーか」と見つめた。ガッツポーズと共に「ここにいる出演者のみなさんに感謝します。また、来られなかった出演者、特に赤いSAAB900(車種)を見事に運転してくれた三浦透子さんに感謝します。皆さん、獲りました!」と英語と日本語でスピーチした。

 村上春樹氏の短編小説を原作にした、妻を亡くした舞台演出家の主人公(西島)の喪失と再生の物語が世界中の共感を呼んだ。「誰か一人でも深く届く観客がいるんじゃないかと、ただただ信じてやっている。結果的に国を超えて届いたことをうれしく思う」と胸を張った。

 授賞式後の会見ではようやく表情も緩んだ。「うれしいです!受賞できるとは本当に思っていなかった。オスカー像は重くてびっくり」としみじみ。ステージからの光景は「あまり覚えていない」と苦笑いし、発表の瞬間は「(自分が)傷つかないよう、呼ばれないかもしれないと考えるようにしていたので、端的に『マジか…』という気持ちだった」と打ち明けた。

 壇上では感謝を伝えきれなかったようで、「本当は村上春樹さんたちにも感謝をしたかった」と残念がった。授賞式で会いたいと言っていた、スティーブン・スピルバーグ監督(75)からも称賛の言葉があったといい「『おめでとう。この映画にふさわしいものだ』と。自身もこの映画がとても好きと言っていただけて、本当にすごい日だなと思いました」とかみしめた。

 今後については「ここが到達点ではなく、通過点だったらいいなと思う」と言いつつ「今は休みたい」と本音も。自主制作で腕を磨き、商業映画2作目で世界の頂点を見た。日本映画初の栄冠への挑戦は続く。

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