人間国宝 歌舞伎俳優・中村吉右衛門さん死去 77歳「鬼平犯科帳」でも人気

 歌舞伎俳優で人間国宝の中村吉右衛門(なかむら・きちえもん=本名・波野辰次郎 なみの・たつじろう)さんが11月28日に亡くなっていたことが、1日、分かった。77歳。デイリースポーツの取材に関係者が明かした。吉右衛門さんは3月28日夜に都内のホテルで体調不良を訴え、病院に救急搬送されていた。懸命の治療が続けられたが、かなわなかった。歌舞伎界を代表する立役として活躍。テレビ時代劇「鬼平犯科帳」シリーズにも主演し、お茶の間にも広く親しまれた。

 歌舞伎界はもちろん、テレビ時代劇でも親しまれた名優が人生の幕を下ろした。

 吉右衛門さんは今年3月28日、東京・歌舞伎座「三月大歌舞伎」の第3部「楼門五三桐」で石川五右衛門役を演じた。しかし、公演後に立ち寄ったホテルで体調不良を訴えて救急搬送。心肺停止状態だったとの情報も流れた。

 近年は身体の不調と闘いながら舞台に立ち続けていた。今年1月の歌舞伎座公演を、体調不良のため8日間休演。昨年12月にはウェブ雑誌の連載で「十月に、あることで手術を受けました」と告白。「その影響が思ったより身体に響いてしまい、大声を出すと息が上がり、立ち上がるのに苦労し、歩くだけで心臓がバクバクします」と術後の後遺症に苦しめられていたことを明かしていた。2011年には胆管結石で入院して手術。13年にはのどにヘルペスを発症し、味覚障害と診断されて食事が取れず体重が10キロ減ったこともあった。

 吉右衛門さんは1944年、八代目松本幸四郎(初代松本白鸚)の次男として誕生。母方の祖父、初代中村吉右衛門の養子となり、48年6月に4歳で中村萬之助を名乗り、初舞台を踏んだ。66年10月に二代目吉右衛門を襲名。歌舞伎界を代表する立役となった。2011年には人間国宝に選定され、17年には文化功労者に選出された。

 テレビ時代劇では、1980年から「斬り捨て御免!」シリーズ、86年「武蔵坊弁慶」に弁慶役で主演。89年から出演した「鬼平犯科帳」シリーズでは、江戸の盗賊を取り締まる主人公の長谷川平蔵役を2016年の完結まで約150作で演じ、お茶の間でも広く親しまれる存在となった。

 1975年に結婚した12歳年下の知佐さんとの間には4人の娘が誕生。四女の瓔子さんは2013年に歌舞伎俳優・尾上菊之助と結婚、孫が七代目尾上丑之助となり、祖父として、歌舞伎界の先人として、その成長ぶりに目を細めていた。

 人間国宝選定時に「死ぬまで修行と思っています。80歳になった時に25日間『勧進帳』の弁慶を務められたら」と語っていた吉右衛門さん。その夢はかなわず、天国へと旅立った。

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