【山田美保子のミホコは見ていた!】山村美智著「7秒間のハグ」は夫婦の必読書

 「哀しみの真っ只中であったものの、秋史のことを世に残したい、知ってもらいたいの一心で書きあげました」とは、10月27日に発売される著書「7秒間のハグ」(幻冬舎刊)を知人に送本する際、山村美智(旧名・美智子)が添えた一文だ。

 1980年にアナウンサーとしてフジテレビに入社。翌年スタートした「オレたちひょうきん族」内の「ひょうきんベストテン」で島田紳助さんの隣でサブ司会を務めていたことはつとに有名。つい先日もFacebookにて、半裸の芸人に囲まれてしゃがみこむ“お宝写真”がアップされていた。ちなみに当時の衣装は大半が山本寛斎さんデザイン。良き時代だったのである。そんな“元祖・ひょうきんアナウンサー”がフジテレビ局員と結婚することになったときには「ひょうきん懺悔室」で水をかけられながら祝福されたものだ。

 その結婚相手こそが、山村が36年半連れ添った宅間秋史さん(享年65)。ドラマ「もう誰も愛さない」「ヴァンサンカン・結婚」や「29歳のクリスマス」、映画「花より男子」「GTO」「ウォーターボーイズ」など数々の大ヒット作をプロデュースした宅間さんは、13回にも及ぶ入退院を繰り返し、昨年12月18日22時44分、食道がんのため旅立った。それは女優・山村美智が出演していた「恋する母たち」(TBS系)の最終回があと数分で終わる時間でもあった。このことだけでも、夫妻の絆の強さがおわかりいただけよう。

 「父であり兄であり同志だった」秋史さんが亡くなり、山村が「私の体は半分になった」と表現したことは今も忘れられない。共に60代を迎えてもラブラブで、サッカー観戦や海外ドラマ鑑賞など趣味も同じだった。告別式で「生きていたくない、どうやってこれから生きていこう」と挨拶した彼女をフジテレビの後輩女性アナウンサーや友人らは、どれほど心配してきたことだろうか。

 それでも渾身の想いで書き上げた山村にとっては、いわゆる“時薬”“日にち薬”になり、読者にとっては、家族や夫婦を改めて見直す機会になることを確信している。コロナ禍の看病記としても読み応えがある「7秒間のハグ」、必読の一冊だ。

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