自民党総裁選 官僚が4候補を甘辛査定 河野氏は「パワハラ体質」

 自民党総裁選は29日の投開票に向け、河野太郎行政改革相(58)、岸田文雄前政調会長(64)、高市早苗前総務相(60)、野田聖子幹事長代行(61)の4候補による舌戦が熱を帯びている。いずれも主要閣僚の経験者だが、間近で仕事をして手腕や性格を熟知する官僚たちが口にする評価はさまざまだ。

 【野田氏】2017~18年に総務相。「高市氏とは全く違うタイプ」と語るのは総務相時代、接する機会の多かった同省幹部。会議などでの発言は瞬発力でこなし、秘訣(ひけつ)を尋ねた幹部に「その場に立つと言うべきことが降りてくる」と言い切ったという。トップとして政策全体に目配りできるかどうかは未知数との見方も。ある職員は「少子化対策など自身のライフワークとなる政策には全力で取り組むが、関心の薄い分野にはあまり熱が入らない面がある」と指摘した。

 【高市氏】14~17年に総務相。事前に資料をじっくり読み込んでから記者会見や国会答弁に臨む姿勢への評価が聞かれる。同省の幹部らは「非常に勉強熱心」と口をそろえるが、「自分で何でもやらないと気が済まないタイプ」との声も。政治的公平性を欠く放送局の電波停止に言及し批判を浴びた際には、会見用に準備された文言を修正しようとした事務方に「一言一句変えるな」と強い口調で迫り、持論を曲げようとしなかったという。

 【岸田氏】12~17年に外務相。当時を知る同省中堅幹部の印象は「温厚な性格で話をよく聞いてくれ、仕事がしやすかった」と好意的。スタンドプレーを好まず、何事も当時の安倍晋三首相に相談しながら進めていたという。別の幹部は省内で抵抗感が強かった首相官邸の人事案を丸のみした件が今も心に引っ掛かっており、「話は聞いても何も決められない人だった」と手厳しい。

 【河野氏】17~19年に外務相。同省内には「政策通と言われるだけあり、理解力が高い。英語もかなりうまかった」と能力を評価する声が少なくない。半面、官僚への「パワハラ体質」は当時からささやかれていたといい、ある同省幹部は「説明を少し聞いただけで合格、不合格を選別していた。駄目と思った相手には怒鳴り声、罵声を浴びせるのが河野流だった」と表情を曇らせる。

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