吉村知事「コロナと共存する社会を」自宅療養者に抗体カクテル療法を全国で初試行
大阪府の吉村洋文知事が17日、大阪府庁で囲み取材に応じ、新型コロナウイルスに感染した自宅療養者に、軽症患者などに使用できる「抗体カクテル療法」を実施すると発表した。同日から試験的に開始予定で、自宅療養者への投与は全国初の試みになる。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、吉村知事は、軽症患者などに使用できる「抗体カクテル療法」を、往診で試験的に実施することについて「初期治療をできるだけ早い段階で行い、重症化するリスクを減らしていく。自宅療養でお亡くなりになる方を1人でも少なくしていきたい」と効果を期待した。
「抗体カクテル療法」は、2つの薬を同時に投与することで、抗体が作用してウイルスの働きを抑える治療法。自宅療養者に対する投与は、医療提供体制の充実を目指す政府の方針に応じた措置で、大阪府から課題や効果を検証していく。
試行実施の内容は大きく分けて3つで、(1)診療所が自宅に往診で投与、(2)入院医療機関が自宅に往診で投与、(3)新型コロナ患者非受入病院の外来で投与が試験的に実施される。
府ではまず1人目としてこの日午後、重症化リスク因子を持ちながら、「家庭の事情もあって入院されていない」30~40代の軽症患者に投与する。吉村知事は「自宅療養者への早期治療介入を『第6波』に向けた大きな目標として進めていきたい。コロナと共存する社会を目指していきたい」などと語った。