お笑いコンビ、極楽とんぼの加藤浩次が３日、ＭＣを務める日本テレビ系「スッキリ」に出演。緊急事態宣言発出から１週間たったが、なかなか外出が減らない様子や社会心理学の専門家の分析を聞きながら「世の中にこんだけ人が出てますというのをわれわれ報道する。それが逆に人を出してる部分もあるのかな」と、伝えることの難しさに頭を抱えた。

　番組では緊急事態宣言が出ていても外出してしまう行動について、専門家の分析を伝えた。関西学院大学総合心理学科准教授・一言（ひとこと）英文氏は「特に社会心理学の立場からいうと、『多元的無知（自分はそう思っていなくても他人はそう思っているだろうと信じ込む）』という心理現象が働いているような気がする。個人レベルではやっぱり外出は良くないと思っているが、観察できる他の人の振る舞いとかを見ていると自分だけ反対だと言い出せなくなる空気がある」と指摘。

　東洋大学社会心理学科教授・桐生正幸氏は「感染する可能性はあると頭で分かっていても、感染しても発症しないだろうといった『確証バイアス』。身近に発症した人がいなければいないほど、自分はそうならないだろうといった自分に都合のいい情報だけを入手して行動してしまう」と説明した。

　分析を聞きながら、加藤は番組でもあらゆる情報を伝えていることに懊悩。「何かわれわれもこうやって毎朝やってるけど考えさせられる。世の中にこんだけ人が出てますというのをわれわれ報道するわけじゃない、それが逆に人を出してる部分もあるのかなって。そういうのも報道しない方がいいのかなとも思うんだけど、でも実情、出てるという事実を報じなきゃいけないという部分もあるから難しい部分がある」と苦悩するような表情で話した。