Rin音「音楽やるしかねぇ」大学生ラッパー 就活中に「snow jam」大ヒット

 SNS発次世代アーティストとバズっている音楽を紹介する短期連載「バズり音」に大学生ラッパーのRin音(りんね=22)が登場。昨年2月発売の配信曲「snow jam」の大ヒットで昨年末の「日本レコード大賞」新人賞を獲得したことでも記憶に新しい。ほかのラッパーに「ディスられたくない」とスマホ一つで楽曲制作を開始して4年。同曲で日の目を見た新進気鋭のラッパーが堅苦しいリクルートスーツを脱ぎ捨て、マイクを握ることを誓ったあの日を語った。

 昨年の日本レコード大賞で新人賞を獲得するなど、現在のヒップホップシーンで異彩を放つラッパーは「こうなるとは予想してなかった。経験した事のない事が次々起こって短く感じました」と激動の一年を振り返った。

 Rin音は福岡在住の大学生ラッパー。高校一年生の時にラップバトルに魅了され、大学進学とともにラッパーとしてのキャリアをスタート。「snow jam」は本人が気付かぬうちにTikTok上でバズり、YouTubeのMVは1710万再生回数を突破(23日時点)。ロングヒットを更新中だ。

 ごく普通の大学生の人生を一曲が大きく変えた。それまで「社会人になってもラップを趣味として続けられたら」という堅実な考えのもと、インターンシップや会社説明会へ参加。学生らしく就活に打ち込む日々を過ごしていた。しかし同曲が想定外にヒットした。

 「Mステとかテレビ出演が増えた時、周りは就活真っただ中でした。自分は『もう間に合わんやん。もう音楽やるしかねぇわ!』と直感的に思った。この曲が音楽1本でやっていこうという気持ちに火を付けてくれた」

 歌詞は日常を記録する“日記”のような仕上がりで、メロディーは夕暮れ時に似合う、落ち着いた温かみのあるチルアウト系。「僕はアウトローな道を進んでいないタイプ。ゴリゴリ系の曲も作ってみたけど、全然向いてなかった。歌詞で良い事を言わなきゃという思いは捨て、普段考えているしょうもない事を歌えばいい」。

 ラップで磨かれた言語センスが歌詞中に光る。Aメロから「Loading」「毎日」「上品」「my lady」と耳なじみの良い単語で韻を踏みながら、浮遊感のあるメロウな曲調を演出。ノイズがかった優しい低音ボイスも聞き心地が良く、従来の“自己主張激しめ”なラップのイメージを覆している。

 スマホ一つでここまでのし上がってきた。19歳で挑んだラップバトルに勝利し、ライブ出演の特典をゲット。「バトルに出た以上、ライブしないとディスられる」。焦燥感に駆られ、未経験だった楽曲制作をスマホ一つで開始。音楽理論抜きにセンス頼りに突き進んで4年が経過した。

 20日に新曲「overzone」のデジタル配信が開始されたばかり。3月に大学を卒業し、ラッパーを本業にするRin音は「これだけ歌詞がだらけた曲でも共感してくれる人がいて、自己肯定につながっている。僕の事を歌う音楽で『snow jam』くらいたくさんの人に届く曲を書きたい」。素直に感情を表現するラッパーならではのスタイルは継承しつつ、自分らしい気張らない音を生み出していく。

 ◆Rin音(りんね)1998年生まれの22歳。福岡県宗像市出身。18歳からラッパーとして活動を始め、出場した九州MCバトルで優勝。同時期からスマホで楽曲制作を始め、19年7月にファーストEP「flim drip」を配信。昨年2月に配信した「snow jam」がロングヒット中。昨年の「第62回輝く!日本レコード大賞」で新人賞を獲得。現在のヒップホップシーンで次世代を担う存在として注目を集めている。

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