東京の新型コロナウイルス感染者数が１０日、過去最多の６０２人となり、国内でも過去最多２９００人超の感染者が確認された。この日、都内の感染状況を分析する都のモニタリング会議が都庁で開かれ、医療提供体制について「通常医療との両立が困難な状況になっている。逼迫（ひっぱく）し始めている」との見解をまとめた。小池百合子都知事（６８）は１都３県（神奈川、埼玉、千葉）の新たな共同メッセージ「ひきしめよう」を発表。「この言葉をキーワードにしながら、感染の防止に努めていきたい」と述べた。

　小池氏は会議後の会見で、「都民・県民の皆さまへ～１都３県共同メッセージ～」として「ひきしめよう」を発表、次のようなスローガンを列挙したボードを示した。

　「ひ」＝引き続き「テレワーク」「時差出勤」を！

　「き」＝基本を徹底！「マスク」「手洗い」「消毒」

　「し」＝食事を複数人でとる際は「マスクで会食」を！

　「め」＝面倒でも「こまめな換気」を！

　「よ」＝夜のお酒は少人数・短時間で！

　「う」＝ウイルスの感染予防に一緒に取り組みましょう！

　小池氏は「改めて引き締める必要があるのではないか」と、メッセージを発した理由を説明。「ウィズコロナの新年よりはウィズアウトコロナの新年を迎えたいじゃないですか」と呼び掛けた。

　さらに「５つの小（こ）」（小人数、小一時間、小声、小皿、こまめ）に「こころづかい」を新たに加えたフリップを係員が掲げ、小池氏は「６つ目の“こ”でありますけれども、感染して病院などに入った場合は医療従事者に負担はかかるわけでございますので、そうしないためにも守って」と訴えた。

　会議に出席した都医師会の猪口正孝副会長は都の医療提供体制について「まだ大きな破綻を来した事象がない」と説明。「完全まひに陥っているわけではない。いかにここで食い止めるかだ」と、一層の警戒を促した。

　また、北海道はこの日、医療体制が逼迫している札幌、旭川両市で、２５日まで不要不急の外出自粛を要請することを決定。札幌市の秋元克広市長は来年２月のさっぽろ雪まつりについて、１９５０年の第１回以来初めて会場設営を見送り、オンラインなどでの形を模索する意向を示した。