コムデギャルソン川久保玲氏 コロナ禍の社会に「人間は厳しい状況をバネにできる」

 高級ブランド「コムデギャルソン」のデザイナー兼社長の川久保玲氏(78)が20日、TBS系「ニュース23」にVTR出演した。同番組の単独取材に応じ、コロナ禍における社会への思いを語った。川久保氏がメディアに登場して肉声を発するのは極めて珍しい。

 10月19日。東京・青山でコムデギャルソンの新作コレクションが限られた関係者のみを対象に開かれたという。インタビューに応じた理由について川久保氏は「こういう状況下で少しでも、パワーの大切さを少し、皆さんにも分かって頂きたいと思いまして。もの作りのパワーを。あまり良くない状況で『何もできない』だとか、『少しお休みしよう』だとか、そういうことではなく、こういう時だからこそ何か新しいことに向かって進まなければいけないんじゃないかということで」と語った。

 19日に開いたショーのメッセージについて川久保氏は「一言で言いますと不協和音。シルエットやパターン(型)は、いわゆる昔の手作りで服を作った時代の印象がありますけど、それに対して例えばディズニーだとか、素材で言えばウレタンだとか。昔であれば刺繍やレースを使って表現した服を今申し上げた材料で作ることによって、そこに不協和音が生まれる。それをネガティブじゃなくて、違う物がぶつかることによって生まれるパワーとかエネルギーを心地よいと思いたい」と新作に込めた思いを語った。

 コロナ禍への社会について川久保氏は「制限だとかできないことが多くなると、その状態に慣れたり『それでいいかな』『しょうがない』と思うことは危険。かえってそこをチャンスとして強く前にいくパワーにしないと、この悪い状態を悪い悪いとしょげててもしょうがない」と述べた。

 40年間、ゆるがないひとつの信念があるという。川久保氏は「反骨精神って言ったらおかしいですけども、普段から『こんなことがあっていいのか』と思うことに対していつも憤りを感じながら、それをエネルギーにしながらやってきたということだと思います。何にもできないですけど気持ちだけは大きくなります」と述べた。

 1000人の従業員を率いる社長でもある。物が売れない状況において川久保氏は「乗り越えるしかない。物作りに関わって下さる方がたくさんいらっしゃる。スタッフもいますし、商品をお店でセールスして下さるスタッフもいる。基本に戻って、毎日毎日新しい物作りをすることに向けて、その日その日を頑張るしかない」と語った。「人間というのはハングリーであれば、厳しい状況であればそれをバネにしてもっと前に行くパワーがあるはず」とも。

 ファッションとは自身にとってどういう存在かと問われ、川久保氏は「自分を表現する材料であり、刺激を受ける材料であり、絶対必要な存在」と語った。

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