1人のためだけに、Toshl熱唱「今だからこそできることを」
歌手のToshl(54)が22日、東京オペラシティコンサートホールで「たった一人だけのコンサート『運命』龍玄とし」を開催。総席数1632の荘厳な音楽ホールに座る、たった一人の観客のために美声を響かせた。
静かなるステージに足を踏み入れたToshlは「準備はいい?短い時間だけど堪能して下さい」と前方中央の観客に語りかけながら「マスカレイド」など全5曲を歌唱した。
ソロ活動の新企画「プロジェクト運命」の第二弾。コロナ禍で1度は止まった音楽界に生きる人間として「今だからこそできることをしたい。自分が推しのアーティストがいたら、僕のために歌ってほしい」と観客目線の発想で構想を練り、5カ月で実現させた。
コンサートは4部制で、計7人(1~3部の観客は各1人、4部では4人)が鑑賞。1枚3万円のチケットに1万超の応募が殺到した。都内屈指の音響を誇るホールが会場だけに数百万円の経費がかかったが、“赤字覚悟”で心意気を見せた。
プレミアチケットを手にした都内在住の男性(46)は「夢心地。誰もいない会場で全部の音が自分にやって来る。一生の宝物になった」と歌声に酔いしれていた。