周庭氏、保釈 心の支えは欅坂だった 拘束時「『不協和音』の歌詞浮かんでいた」
国家安全維持法違反容疑(外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えた容疑)で今月10日に逮捕された香港の民主活動家・周庭(英名アグネス・チョウ、23)氏が11日深夜に保釈された。
周氏は保釈された警察署の外で記者団の取材に対応。日本のマスコミの質問には日本語で話した。「これまで香港の社会運動に参加してきて4回逮捕されたが、最も怖かった」などと語った。また、逮捕時の恐怖を語るとともに「拘束されているときに『不協和音』という日本語の歌の歌詞が、ずっと頭の中で浮かんでいました」と告白。アイドルグループ欅坂46のヒット曲が心の支えだった思いを明かした。
2017年に発売された同曲は、「絶対沈黙しない 最後の最後まで抵抗し続ける」という歌詞に象徴されるように、理不尽な環境への抵抗する強い意志を歌い上げている。周氏は、自らを「オタク」と話すほど、小学校時代から日本文化に親しみ、日本語もマスター。中でも同曲は、強大な国家と対峙する自身と重なり、以前から“愛唱歌”だったという。
日本で逮捕直後からSNSで周氏の解放を求める運動が起こったことに対し、「日本の皆さんから応援や支持をいただいたと弁護士に聞いた。ありがとう」と感謝した周氏。逮捕容疑について「どういう理由で問われたのか分からない。国安法は政治的弾圧に利用するためのものだ」と語った。さらに香港の民主化運動のために闘っていく決意を表明した。
中国に批判的な香港紙、蘋果日報の創始者、黎智英氏も保釈された。