東京都は３０日、新型コロナウイルスの感染者が新たに３６７人報告されたと明らかにした。今月２３日の３６６人を上回り、過去最多。小池百合子知事は臨時の記者会見で「感染拡大特別警報」を掲げて注意を呼び掛けた。今後の状況では都独自の緊急事態宣言を出す考え。また酒類を提供する都内の飲食店やカラオケ店に８月３日から３１日まで時短営業を要請した。

　感染状況悪化を踏まえ、小池知事が酒類を提供する都内の飲食店やカラオケ店に営業時間を午前５時から午後１０時に短縮するよう要請した。期間は８月３日～３１日。応じた店舗には協力金２０万円を支払う。

　都内では３０日に過去最多の３６７人の感染者が新たに報告され、悪化傾向に歯止めがかからない。小池氏は現状を「感染拡大特別警報の状態だ」と従来の表現に「特別」を加えて危機感を強調。今後の状況次第では「都独自の緊急事態宣言を出すことも考えないといけない」と述べた。

　会食などを通じた感染が広がっており飲酒を伴う会食目的や夜間の繁華街への外出をできるだけ控えるよう求めた。家庭内感染も増加し「感染爆発が憂慮される危機的事態だ。拡大防止の意識を共有したい」と訴えた。

　時短営業の要請による経済への影響には「経済を進めるためには感染を拡大させないことも大事。今の状況が続く方がダメージが大きい」。協力金の財源は国が予備費として確保している１０兆円の活用を求める考えだ。

　感染防止対策を実施している店舗や事業所用の認証ステッカーの掲示や感染者の通知サービス利用を都条例で定め、８月１日の施行を専決処分で決めたことも公表した。

　ステッカーの認知度向上に向け日本相撲協会と連携し、開催中の大相撲７月場所でステッカーをデザインした懸賞旗が掲げられる。「１日３回、懸賞旗スタイルの告知旗を掲出させていただく。お相撲も楽しんでいただき、ステッカーも懸賞旗を通じてご確認いただきたい」と訴えた。