渡辺三冠が逆襲の1勝 タイトル戦ストレート負けなし「開き直った」

 将棋の藤井聡太七段(17)が、渡辺明三冠(36=棋聖、棋王、王将)に挑戦する第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第3局が9日、東京・都市センターホテルで指され、渡辺三冠が142手で勝利。通算成績を1勝2敗とした。史上最年少でのタイトル獲得に王手をかけていた藤井七段は、先手で得意の角換わり腰掛け銀を採用したが、中盤に細かいミスが出て無念の敗戦。最年少タイトル獲得は16日に大阪市の関西将棋会館で行われる第4局に持ち越しとなった。

 渾身(こんしん)の“決め打ち”で、渡辺三冠が逆襲の1勝目を挙げた。

 第1、2局は矢倉戦だったが、今局は先手の藤井七段が得意の角換わりを採用すると予想。大の競馬好きである渡辺三冠らしく、終局後は「“本命”だった」と明かした。

 90手目の9九飛までは「考えたことがあった局面」というが、この手は藤井七段が「読みにない手で、対応が難しかった」と脱帽した一手。入念な研究が、若き天才の想定をわずかに上回った。

 カド番には追い込まれたが、タイトル戦でのストレート負けは一度もない。ここ一番での勝負術を「状況が苦しかったんで、開き直ってというか、ちょっと思い切って行こうかなと」と明かした。

 “ギャンブル”に近い戦い方だったのか、「勝ち方としてはあんまりいいものではない」と自戒も。それでも「ぜいたくを言える状況ではなかった。結果に満足して次に向かいたい」とうなずいた。追い込まれた最強棋士が見せた鮮やかな反撃。藤井七段の快挙は、簡単には許さない。

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