政府は２１日、大阪と京都、兵庫の近畿３府県について、新型コロナウイルスの新規感染者数増加に歯止めがかかったと判断。緊急事態宣言を解除した。大阪府の吉村洋文知事（４４）は府の対策本部会議を開き、府内の娯楽施設や飲食店などに出している休業要請や営業短縮要請を２３日午前０時をもって解除することを正式決定した。

　大阪府で現在、営業時間が午前５時～午後１０時（酒類の提供は午後９時まで）となっている飲食店や居酒屋などのフル営業は可能になる。「ＵＳＪや海遊館なども、一定の感染症対策を求めて開館を認めていきたい」として、大規模施設も再開は可能と判断。ＱＲコードを用いた大阪コロナ追跡システムの導入など、感染症対策への協力を要請する。

　一方で、クラスター（感染者集団）が発生したライブハウスやスポーツクラブ、カラオケボックス、ナイトクラブ、スナックなどへの休業要請は継続。吉村知事は「クラスターの発生は重く受け止めないといけない。もう少し詰めていく必要がある」として、２９日に改めて解除の可否を判断する。

　吉村知事は経済・社会的活動を徐々に取り戻すとしながらも、新たな生活様式の定着を改めて要請した。「ウイルスはゼロにはなっていない。外出をやめてくださいとは言わないが、外出の仕方は気をつけてほしい。接触を減らすなどの意識はしてほしい」と、府民や事業者などに呼びかけた。