宝塚音楽学校 近年最少受験者…コロナで海外受験者来日できず 地方受験者は親の反対も
タカラジェンヌを育成する兵庫県宝塚市の宝塚音楽学校(小林公一校長)で27日、異例の公式ホームページのみでの第108期生40人の合格発表を行った。受験者も新型コロナウイルスの影響で、近年では最少の852人、倍率は21・3倍だったことがわかった。
過去10年を振り返れば、2010年は1028人の受験者だったが、東日本大震災の11年から3年間は1000人を割り込み、13年は881人まで落ち込んだ。今年の852人はそれを下回る数字となった。
少子化の影響は宝塚音楽学校とも影響を受けているのは事実だが、学校関係者は「新型コロナの影響で、受験申込した人と実際の受験者に乖離があった」と明かした。今月20日から東京会場で第1次試験がスタート。例年ならば、全国津々浦々、海外からも受験者が駆け付けている。だが今年は「海外からの受験者は、来日できませんでした。また地方の方は親御さんが東京や宝塚などに行かせることに反対したようで、受験したした人が少なかった」という。
また合格発表も、例年は校舎で合格者の受験番号を掲示。少女たちの悲喜こもごものドラマが繰り広げられる、春の風物詩となっている。だが今年は新型コロナの感染拡大防止の観点からネット発表のみとなった。また合格発表後に行われた入学説明会も「合格者及び保護者2名様までが入場できます。上記以外の方は一切入場できません」と張り紙がされた。
北海道出身で、2回目の受験で合格した梶原捺さんは「駅のホームでスマホで確認して、うれしくて飛び上がりました。昨年は掲示板に自分の受験番号がなかったので、もし今年もなかったらトラウマになっていたかも。だけど合格していたので、掲示板で見たかったです」と残念そうな様子も見せていた。「真彩希帆さんのような実力のある娘役になりたい」と雪組トップ娘役の名を挙げ、目を輝かせた。
108期は4月17日に入学式を行うが、今月2日に参列者を例年の3分の1程度の規模に絞って行った卒業式同様、厳戒態勢となる予定。その後2年後の初舞台を目指し、厳しいレッスンを積む。
◆過去10年の受験者推移
20年 852人(21・3倍)
19年 915人(22・8倍)
18年 965人(24・1倍)
17年 1042人(26.0倍)
16年 1079人(26.9倍)
15年 1063人(26.5倍)
14年 1065人(26.6倍)
13年 881人(22.0倍)
12年 924人(23・1倍)
11年 940人(23・5倍)
10年 1028人(27・0倍)
※小数点第2以下切り捨て