小学校建設などを巡り、国や大阪府、大阪市の補助金計約１億７千万円をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われた学校法人「森友学園」の前理事長籠池泰典（本名・康博）被告（６７）と妻諄子（本名・真美）被告（６３）の判決で、大阪地裁（野口卓志裁判長）は１９日、泰典被告に懲役５年、諄子被告に懲役３年、執行猶予５年を言い渡した。求刑はいずれも懲役７年だった。

　両被告は「補助金詐取の共謀や故意はなかった」と無罪を主張。地裁は起訴内容のうち、諄子被告の府市の補助金詐取については故意や共謀を認めず無罪とした。開廷前、大阪地裁前に真っ赤なネクタイを締めた泰典被告は報道陣に向かって「論告求刑をやり直せ」と訴え、諄子被告も「こんな不当な裁判もう嫌」と泣き叫んだ。

　泰典被告は最近出版した著書「国策不捜査」を手に険しい表情のまま。籠池夫妻はぴったり横に並んで、検察側への不満を口にしながら地裁の敷地に入っていった。開廷後の諄子被告は、弁護士の腕をつかむなど興奮した様子。声を震わせながら何かを懇願するようなやりとりが続いた。２回の休廷をはさみ、判決の言い渡しが始まると、泰典被告はじっと前を見据え、時折首をかしげながら聞き入った。